軍事
むかし、イラン・イラク戦争の記事を書こうと調べた事がるんですが、あまりに面白くない話だったので断念したことがあります。平和団体の方からみると不謹慎の誹りは免れないでしょうが、一戦記ファンから言わせていただくと一度も劇的展開のないイラン・イ…
最近、空軍関連話が増えていますが、それは「現代の航空戦 湾岸戦争」(リチャード・P・ハリオン著 東洋書林)や「図解 現代の航空戦」(ビル・ガストン&マイク・スピック 原書房)など空軍関係の本を読みふけっているからです。特にここにあげた二冊は白眉…
最初に語句の説明から。半数必中界(CEP)というのはある目標に爆弾を投下した場合(あるいは砲弾を撃ち込んだ場合)目標を中心に50%の確率で着弾する確率円(の半径)のことです。ですから半数必中界が狭いほど精度が高いという事になります。 数字が半端な…
日本の航空自衛隊は、防衛大綱によって動的防衛力強化を謳われているのでどのくらい変わったか気になって調べてみました。ところが、個人的見解ですがあまり変わっていないような気がします。 小松基地のF-15J2個飛行隊は分かるんですよ。空中給油の404飛行…
※ ALARM(イギリス) ※ 日本が開発中の次期空対艦ミサイル XASM-3 日本は、老朽化したF-4EJ改 ファントムⅡの後継機種としてロッキードF-35A ライトニングⅡを選定したわけですが個人的には同時に採用してほしいF-35用の何種類かの兵器があります。それは空対地…
アメリカ陸軍、海兵隊が採用する標準榴弾砲です。戦車や戦闘機は好きでも火砲に興味を持つ人は少ないと思います。この榴弾砲もカタログスペックだけみれば他の同クラスの火砲と変わらず、そればかりかアメリカの前の主力榴弾砲M198 155㎜榴弾砲と比べてもほ…
軍のロジスティクス(兵站)に興味を持つ私は、陸上輸送の根幹輸送トラックに関しても関心があります。大戦中日本特に陸軍はどのような軍用トラックを使用していたか、ふと興味を持ち調べてみました。 ところが日本では、ロジスティクスや軍用トラックに興…
戦後第3世代戦車の特徴120㎜滑腔砲(スムーズボア・ガン)を搭載している90式戦車は、日本がやっと世界の水準に追いついた戦車と言えます。滑腔砲とは砲身内部にライフリングが施されていない砲で、砲弾には安定翼(フィン)が付いています。ライフル砲に比…
1961年に制式化され1970年までに560両が生産された61式戦車は、文字通り日本の主力戦車となりましたが世界が戦後第2世代の戦車に移行すると一世代遅れた戦車となってしまいました。陸上自衛隊もこの事は十分理解しており、低い車高と理想的な避弾経始に長砲…
敗戦によって軍隊を解散させられた日本。しかし朝鮮戦争が勃発すると在日米軍が朝鮮半島に派遣されその穴埋めとして警察予備隊が作られます。アメリカは、M4シャーマン中戦車の最終生産型M4E3A8(イージーエイト)とM24チャーフィ軽戦車を供与しました。後に…
戦車話が続いてるのでついでに書いちゃいます(笑)。 大戦中戦車隊の見習士官だった国民的作家司馬遼太郎のエピソードですが、彼はある時新しく配備された三式中戦車に胡散臭さを感じ、その装甲をヤスリで削ってみたところ何と削れたと驚きます。九七式中戦…
三式中戦車を書いた勢いで、戦後戦車まで一気に紹介してしまおうかと思っています(笑)。今回は日本陸軍が切り札として期待した四式中戦車です。 ボフォース社製75㎜高射砲を参考に開発した四式七糎半高射砲を再設計し、後座長の短縮などを改良した五式七…
最近、日本陸軍関連記事が多いですが今回は三式中戦車です。日本の戦車にチハとかチヌとか別名がついていますが、最初の「チ」とは中戦車の意味です。軽戦車なら「ケ」砲戦車なら「ホ」となります。次のハとかヌは設計順をイロハで表したもの。 あまり戦史…
臼砲というのは迫撃砲と同じく曲射弾道を描く大砲です。ところがこの九八式臼砲はどうみても大砲には見えません。それもそのはず、このタイプをスピガットモーター(差し込み式臼砲)と言うそうです。弾体と発射台だけで砲身がないので日本では「ム弾」ある…
冒頭の表をみて実際の編制と違うと思われた戦記ファンは多い事でしょう。実際には 第1中隊が軽戦車(九五式軽戦車)13両、第2~第4中隊が中戦車(九七式、のちには一式と新砲塔チハ)10両、第5中隊が砲戦車中隊(砲戦車10両)で、連隊本部と合わせて軽戦車1…
独立混成旅団とは、帝国陸軍が創設した部隊単位です。師団よりは小さく連隊よりは大きいもので、他国で言うところの旅団(ただし師団に連隊の代わりに編入されているイギリス型編制を採用する国家は別)とほぼ同じです。 ただし日本陸軍では三単位編制師団…
第2次世界大戦ヨーロッパ戦線の戦記ものを読むとほとんどが西部戦線と東部戦線を扱ったものでバルカンやイタリア半島を扱った南部戦線ものはあまり多くありません。南部戦線に関しては北アフリカの戦いばかりというのが現状です。 とくにイタリア戦線を担当…
趣味の記事第2弾!前記事では中隊以下の装備と編制を考察しました。今回は大隊以上です。一応対英米戦を想定しているので大平原の戦い、ジャングルの戦い、島嶼部の戦いに対応できる汎用性を求める予定です。 まず歩兵大隊から。大隊は通常三単位編制師団で…
※三八式歩兵銃 ※九六式軽機関銃 ※九九式短小銃 ※九九式軽機関銃 すみません、完全に趣味の世界でございます。軍事とか戦史に興味のない方はチンプンカンプンだと思うのでスルー推奨です(汗)。 最近、大東亜戦争で米英の精鋭師団に対抗できる我が皇軍の装備…
日露戦争を描いた映画やドラマで見た事のある方もいるかもしれませんが二十八糎榴弾砲です。二十八榴とも略称される同砲は旅順要塞攻略に決定的役割を果たし、奉天会戦にも参加しました。 近年、一部の軍事史家(別宮暖朗氏など)の間で二十八榴の活躍を過…
火砲が発達し歩兵の主力武器が小銃になると、それまでの重い甲冑では身動きが取れなくなり良い的になる事から、しばらく歩兵に防具がない時代が続きました。至近距離で撃たれれば甲冑でさえライフル弾に撃ち抜かれるからです。 しかしさらに火砲が発達して…
スペイン内戦でデビューし、大戦初頭電撃戦の空の主役として活躍したユンカースJu87スツーカ急降下爆撃機。しかし、連合軍の本格的反攻が始まると圧倒的な敵の制空権下では活躍の場はありませんでした。 空軍は、旧式化がはっきりしたJu87のエンジンをより…
ドイツの誇る高速爆撃機。ドイツ陸軍のワークホースがⅣ号戦車なら空軍のワークホースがJu88です。実際、14780機とドイツ爆撃機中最大の生産数を誇ります。 大戦前の1930年代「戦闘機より速い爆撃機があれば戦闘機は要らない」といういわゆる戦闘機無用論を…
最近ドイツ空軍の戦史にはまってます(笑)。コンドル軍団とはスペイン内戦(1936年~1939年)においてナチスドイツがフランコ軍を支援するために派遣した遠征軍です。これとは別にフォン・トーマ陸軍大佐(WW2では装甲兵大将・ドイツアフリカ軍団長などを…
いつものごとく、中央軍集団は師団数が多すぎてやむを得ず見難い縮小画像になりました(汗)。 これは1941年6月22日独ソ戦開始時のドイツ陸軍の戦闘序列です。一見して分かるのはモスクワ攻略を担当する中央軍集団の装甲師団の多さ。おそらくソ連軍もこの方…
戦史や軍事に興味のない方にはチンプンカンプンでしょうが、NATO(北大西洋条約機構)の兵科記号をご存知の方はその恐るべき戦力に驚かれる事と思います。 装甲教導師団とは、戦車学校の教官をメインに編成したドイツ陸軍きってのエリート師団で、SS装甲師団…
前記事で終戦時日本本土の陸軍飛行戦隊を記したので、今回は外地に残った飛行戦隊一覧表です。もしかしたら本土の分と重複してるものがあるかもしれませんが、それは私の転記ミスですのでご指摘ください。ただ移動途中の戦隊もあったのでケースバイケースで…
これは終戦時日本本土における陸軍飛行戦隊の配置と装備機一覧表です。特攻部隊と練習機は種類と数が多いので省いております。実働戦力の一覧表とお考えください。 戦闘機戦隊で装備定数36機、その他で27機ですから計算上は1170機+予備機がある事になりま…
◇海南島 三亜(サンアペレ)港 いきなりマニアックですが、これ開戦劈頭マレー半島攻略のために陸軍(第25軍・山下奉文軍司令官)の大輸送船団が小沢治三郎中将率いる南遣艦隊に護衛されて出港した港です。海南島って支那領のはずだと思ってたんですが、ミャ…
今年も8月15日が近付いたので、それにちなんだ記事です。 少し見難いと思いますが、エクセルで書いた表を一枚に収めるための苦肉の策です。これでもかなり簡略化しており例えば総軍直轄の師団は割愛しております。 ちなみに、支那派遣軍・北支方面軍では27…