鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

ドイツF126型フリゲートに関する個人的感想

 あまり興味のない方が多いとは思いますが、個人的に気になっていたので記事にしてみました。

 ドイツ海軍の前級バーデン・ヴュルテンベルクフリゲートは私に言わせると明らかな失敗作でした。対空兵装が近接防空のSeaRAM×2基しかなく7300トンの艦体にしては中途半端な性能しかなかったと思います。ドイツ海軍は海外派遣もにらんで非対称戦争、戦争以外の軍事作戦を重視してバーデン・ヴュルテンベルク級を開発したそうですが、ロシアのウクライナ侵略で国際情勢が緊迫化した今無用の長物になったというのが私の感想です。

 この反省から次のF126型フリゲートでようやくMk.41VLS(垂直発射装置)が採用されました。満載排水量10550トン、最大速力26ノットで127㎜単装砲×1基、NSM艦対艦ミサイル4連装発射筒×2基、Mk.41VLS×64基搭載します。ただ他の資料ではVLSがたったの16セルという話もありはっきりしません。

 1万トンなら昔で言うなら重巡洋艦クラスですよ。現代ではミサイル駆逐艦がそれくらいの排水量になっているんですが、さすがにこれをフリゲートと言うのは無理があるような気がします。VLSには個艦防空のESSM(発展型シースパロー)が1セルにつき4発積めるので、16×4で64基と誤記された可能性もあります。

 ドイツは陸軍国なので海軍にはあまり力を入れていないのかもしれませんが、1万トンでVLSがたったの16基というのはあり得ません。日本のもがみ型FFMは5500トンでVLS16セルですよ。ですから64セルという資料を信じたいです。本来ならもがみ型もVLSは24セルとか32セル欲しいくらいなのに。ちなみにF126型は就役したらニーダーザクセン級と名付けられる予定です。

 ドイツ海軍は長期の海外派遣を視野に入れており、艦艇も戦闘能力より居住性重視だと言われますが、本末転倒も甚だしいと思いますよ。日本とは別の意味で平和ボケなんですかね?ドイツはNATOの一員でありドイツ海軍の任務もバルト海限定になっているなら中途半端な性能でも良いのかもしれませんが…。

 F126型フリゲートは2028年1番艦(ニーダーザクセン)が就役し6隻が建造予定です。就役したらVLSの数もはっきりすると思うんですが、建造費2000億円もするそうですから、中途半端な性能だと税金の無駄遣いだとドイツ国民から糾弾されますよ。日本もドイツを反面教師にしてまともな防衛力を整備してほしいですね。

 

 

追伸:

 上の画像が実際の艦だとするとVLSのスペースがあまり取れなさそうな気はします。やはり16セルが本当なのかな?というかSesRAMが邪魔なんだよ。艦体前方のSeaRAMを廃止してVLSのスペースを広げた方が良かったと思うんですよ。ESSMがあるから近接防空のSeaRAMは1基で十分だと個人的には思います。まあ今更手遅れかもしれませんが…。

 

追伸2:

 海外ウィキを見ると2×8セルと書いてあるから16セルが正解っぽいです。

岸田政権、外務省が毅然たる態度をとっていればこんな事にはなっていなかった

 自分の引用ポストで記事を書くのもなんですが、ようやく警察も本腰を入れてきたようですね。例の反日シナ人による靖国神社放尿落書き事件ですよ。事件発生から1か月半。一番の問題は主犯の男を逮捕もできずシナ本国への逃亡を許したことです。一説では岸田政権が国際問題になることを恐れわざと逃がしたとも言われます。

 ところが、日本人の魂のよりどころである靖国神社を汚されたことに怒った国民の声を受け、今頃になって申し訳程度に動き出したという見方もあります。結局国外逃亡した主犯を捕まえることはできないでしょう。本来なら国際指名手配してシナ共産党政府に犯人の引き渡しを要求すべきです。おそらくシナとは犯人引き渡し条約(現状はアメリカ、韓国のみ)を結んでいないので実現はしないでしょうが、日本政府は毅然たる態度をとるべきだと思いますよ。

 そもそも岸田総理に国家観も国防意識もプライドも無いからこんなことになっているんです。私利私欲で自分がいかに長く総理の座にしがみついているかだけに熱心な屑にまともな外交はできないのでしょう。そして外務大臣上川陽子も酷い。国会答弁も外務官僚から渡されたペーパーを棒読みするだけ。ちょっと突っ込んだ質問をされると右往左往してまともな答弁もできません。ここまで酷い外務大臣は最近ではちょっと記憶にありません。

 林芳正茂木敏充河野太郎岸田文雄もかなり酷い外務大臣でしたが、上川は群を抜いて最低です。記憶をたどってみると田中真紀子と別の意味で同じくらい最低の外務大臣だとすら思えます。こんな女が次期総理と持て囃された時期もあったんですから、日本の政治は本当に終わっていますね。

 その上川を起用したのは岸田。すべての責任は岸田本人に返ってくるんです。最初国際問題に発展することを恐れ靖国侮辱犯をわざと逃亡させ、国民の怒りの声を受けて今頃になってアリバイ工作のように動き出す。何もかもがちぐはぐで話になりません。それでも全く動かないよりはまし。

 岸田総理には、シナに犯人引き渡し要求をしてほしいですね。国民は見ていますよ。それすらできないなら総理大臣としての存在価値はありません。まあ私は絶対にしないと見ていますが。岸田総理を見限っていますから。皆さんは、靖国侮辱犯の引き渡し要求、岸田政権はすると思われますか?

現代ドローン戦争と水上ドローンの可能性

 ウクライナ戦争は大砲で耕して歩兵が突っ込むという、あるいは塹壕を設けて持久戦をするという第1次大戦のような古い戦争形態に戻ったと言われます。一方バイラクタルTB2に代表されるような無人機やドローンによるハイテク戦闘の側面もある奇妙な戦争です。

 砲兵の砲撃にしても従来は観測員がやっていた仕事をドローンが行い、偵察・目標選定・射撃評価などすべてを担っています。ただ、開戦当初持て囃されていたバイラクタルTB2の名前を最近全く聞かなくなりました。それは混乱していたロシア軍の防空体制が元に戻りバイラクタルが活動できにくくなっているからです。

 安価な無人機とは言えバイラクタルTB2は6億円くらいします。潤沢な国防予算があるわけでないウクライナにとっては、バタバタと落とされたらかなりの打撃になります。という事で最近はより小型で手榴弾程度しか積めないドローンや、小型~中型で戦車の上面装甲を破壊できる程度の爆薬しか搭載できないドローンを多用しています。これはロシア軍も同様で、小型から中型のドローンが主に活躍しているそうです。

 ただ手榴弾程度の爆薬でも、小型ドローンは数万円なので敵兵士一人を倒せればコスト的にペイするそうです。兵士の命も随分安くなったものです。一方、水上ドローンには無限の可能性があると見ています。というのも見た目は完全にモーターボート。40ノット以上の高速で移動でき、航続距離も800㎞あります。搭載している弾頭重量が300㎏もあるので、敵艦船に直撃すれば魚雷並みの威力で一発轟沈も可能です。私の敬愛する軍学者兵頭二十八氏の言う「安心・安価・有用」な兵器が水上ドローンだと思うんですよ。

 水上ドローンの価格は分からなかったんですが、高くても1億円はしないと思います。数千万円程度か下手したら数百万くらいでできそう。これで何百億円もする敵艦船を沈められるのならこれほど良い話もありません。現代の魚雷はハイテク化し価格も高騰しているので、下手したら水上ドローンのほうが安価になっているかもしれません。いくら命中率が高く威力があっても魚雷の射程はせいぜい80㎞くらいです。その10倍以上の射程があり、しかも安価であれば水上ドローンは今後どんどん発展していく可能性があると思います。破壊されても人命は失わないので、値段分だけの損で済みますからね。

 日本が空中ドローンや水上ドローンに力を入れてくれれば良いのですが、平和ボケが酷いと世界の動きに取り残されていく危険性もあります。国民の命を守るためにも日本政府はウクライナ戦争を真剣に研究して必要な装備はどんどん取り入れるべきですね。

チェンタウロⅡMGS

 1991年に配備開始されたイタリアのチェンタウロ戦闘偵察車は8輪で52口径105㎜砲搭載、最高速度108km/h、行動距離800㎞、重量26トンの装輪戦車でした。この種の車両はアメリカのM1128ストライカー機動砲、フランスのAMX-10RC、南アフリカのルーイカットなどがあります。イタリアの場合日本と国情が似ていて、長大な海岸線を守らなければいけないため、敵が上陸してきたとき主力戦車到着まで戦線を持ちこたえなければなりません。そこで機動的に動き、ある程度の対戦車戦闘も可能な車両の必要性が生じました。日本の16式機動戦闘車も同じ理由で採用されたと思います。

 一昔前なら主砲が76㎜など主力戦車よりは劣る火力しかありませんでしたが、最近の装輪戦車は105㎜ライフル砲という戦後第2世代戦車並みの主砲を備えたものが出てきました。とはいえ、軽い車体で戦車並みの主砲を撃つのですから反動が強く、発射した瞬間大きく車体が揺れます。ですから走行間射撃は緊急時のみで通常は停止してから発射するのだと思います。

 16式機動戦闘車のように走行間射撃でほとんど反動無く撃てる方が異常なのです。反動を押さえる工夫がなされているのか、演習時には火薬量を抑えた砲弾か空砲を撃っているのか分かりません。ご存じの方はご教授ください。

 それはともかく、2020年120㎜滑腔砲を搭載したチェンタウロⅡが登場しました。重量30トンに増えたのは120㎜の射撃に耐えうるよう構造を強化したのと、防御力を上げたのでしょう。とはいえ、これらの装輪戦車は前面装甲で20㎜機関砲の直撃に耐える程度、側面・背面で12.7㎜機関砲の直撃に耐える程度の防御力しかありません。チェンタウロⅡはIED(即席爆発装置)や地雷に対する防御力が向上したと言われます。追加装甲で40㎜弾までなら耐えうる防御力にもなるそうです。

 これでは敵主力戦車と正面から撃ちあうことはできないんですが、あくまで味方の主力戦車が到着するまでの時間稼ぎなのでしょう。チェンタウロⅡの射撃動画を見たんですが、30トンではさすがに120㎜滑腔砲の反動を押さえることは困難なようです。発射の瞬間大きく車体が揺れました。ただ装輪戦車は待ち伏せが基本で戦車同士の直接の撃ち合いは想定していないのでこれで良いのでしょう。

 攻撃力だけなら現用主力戦車並みの恐ろしい装輪戦車だと思います。チェンタウロⅡの優秀性に目を付けたブラジルは、早速2022年採用決定、98両調達予定だそうです。最終的には228両にもなると言われ、イタリア陸軍の96両を上回るユーザーになるかもしれません。では日本に120㎜滑腔砲搭載の装輪戦車が必要かと言えば、私は今の105㎜ライフル砲で十分だと思っています。あくまで主力戦車が到着するまでの時間稼ぎなので、敵上陸部隊と正面から撃ち合う必要はないと考えるんですよ。待ち伏せで側面や背面を攻撃するなら105㎜砲でも十分ですしね。敵戦車を正面から破壊したいなら各種対戦車ミサイルもありますから。

 ブラジルの場合、戦車がレオパルド1やM60A3なので戦車の代替としてチェンタウロⅡを採用したのでしょう。ブラジルは今のところ他国と戦争する可能性は低いですしね。局地的紛争程度ならチェンタウロⅡで十分だし120㎜滑腔砲の威力で十分な抑止力になると考えているのかもしれません。

 これからの世界の流れは、本格的な戦車と装輪戦車の二段構えになるのでしょう。

米軍、三沢基地にF-35Aを配備決定

米軍が三沢にF35A初配備へ 中朝露への抑止力強化で戦力向上、嘉手納の戦闘機も新型に


 実は米海兵隊岩国基地にはすでにSTOVL(短距離離陸垂直着陸)のF-35Bが配備されています。これだけでもロシアやシナにとってはかなりの抑止力になると思っていたんですが、米空軍も三沢基地の戦闘機をそれまでのF-16C/DからF-35Aに更新すると発表しました。

 しかも三沢のF-16部隊は36機定数ですから通常のSquadron(飛行隊)で18機定数×2個飛行隊でしたが、F-35A部隊は48機定数になるので大型Squadronで24機定数×2個飛行隊になりそうです。それだけでもアメリカの本気度が分かりますね。しかも嘉手納基地の装備機もF-15EXになるそうなので明らかに台湾有事に備えての事でしょう。

 嘉手納基地のF-15C/D部隊は退役が進み、F-22Aラプターのローテーション配備に変わると聞いた時私は不安でした。F-22は確かに世界最強のステルス戦闘機ですが、メンテナンスに非常に手間がかかりローテーション配備だと稼働率もかなり落ちるのではないかと心配していたんです。しかしここにきて常駐部隊が復活し、F-15EX装備になるという事は日本の防衛にとって朗報です。

 F-15EXはこれまで世界最強の戦闘攻撃機だったF-15Eストライクイーグルを大幅に改良した機体で、米空軍は旧式化した(とは言えまだまだ第一線で通用する)F-15C/D装備部隊の更新用に開発しました。F-15EXは兵装最大搭載量こそストライクイーグルの11トンから10トンとやや減っていますが、その分F-15C/Dに匹敵するかそれ以上の空戦能力を持っていると言われます。

 日本もF-15J/DJの更新用にぜひ欲しいと思っていたくらいです。一説ではアメリカは日本にF-15EXを売らない方針という話も聞きますが、韓国にF-15K(ストライクイーグルの韓国仕様)を売ったくらいですから、日本にも当然売るはずと個人的には思っています。今のところ米空軍の調達予定数が104機なので、日本が100機前後購入すれば調達価格も下がりウィンウィンだと思うんですがね。

 すでに巡航ミサイルトマホークすら購入しているんですから、戦闘爆撃機くらいなんともないでしょう。ペイロード10トンもあればJASSM-ERでもなんでも搭載できるのでシナもロシアも嫌でしょうね。これでシナが台湾進攻を諦めてくれればうれしいんですが、ロシアが国際法無視でウクライナに侵略したように専制独裁国家は何を考えているか分かりませんし、国際常識も通用しません。有事になれば被害を被る日本としてもシナがいつか侵略戦争を始めるという前提で備えなければならないと覚悟しています。

 それにしても三沢基地のF-35A配備、嘉手納基地常駐部隊復活でF-15EX配備は日本の防衛にとっても嬉しいニュースでした。

F-16と聖域

 ベトナム戦争の時、米軍は北ベトナム勢力を叩くため大規模な北爆を実行しました。ところが戦争が拡大しソ連が介入して世界大戦に発展するのを恐れるあまり、最初は北ベトナムの空軍基地(ソ連の軍事顧問団がいた)を攻撃対象から外したり、明らかに陸路シナから武器弾薬が運ばれているのにシナ本土への爆撃は避けました。その上、北ベトナム軍やベトコン(南ベトナム民族解放戦線)は米軍との戦闘で消耗するとカンボジアラオス領内に入り勢力を回復、再びベトナムに戻って戦います。ホーチミンルートもラオスカンボジアの領内を通っていました。

 これを当時聖域と呼びます。さすがに米軍も腹に据えかねたのかカンボジア侵攻という暴挙を犯しましたが、米政府の腰が引けた戦争指導により結局南ベトナムを見捨て撤退することとなるのです。

 一方、ソ連も聖域に苦しめられた経験があります。ソ連崩壊の一因にもなったアフガニスタン侵攻です。アフガンゲリラはソ連軍との戦闘で大きな損害を受けるとパキスタン領内に逃げ込んで勢力を回復しました。さすがにソ連パキスタン領に越境攻撃するわけにはいかないので、これが聖域となっていつまでもアフガンゲリラを根絶できなかったのです。

 そしてウクライナ戦争でもどうやらF-16の聖域ができそうです。ニュースソースは失念したんですが、たぶん乗り物ニュースだったと思います。今年の7月には西側供与のF-16戦闘機の第一陣が到着し作戦に参加すると言われています。最終的には80機前後のF-16が揃うそうですが、整備や修理はどうするのだろうかと疑問に思っていたんです。ウクライナ空軍の整備陣もソ連製戦闘機の整備は慣れているはずですが、西側戦闘機の整備ができるようになるには非常に長い時間がかかると見ていました。

 どうやらその問題は、ポーランドなどがF-16の整備・修理を引き受けることで解決しそうです。F-16は西側のベストセラー戦闘機なので運用しているポーランドは整備も慣れているはずだし、部品も豊富にあると思います。ウクライナパイロットは、損傷したり修理が必要になったら国境を越えポーランドに来ればよいのですから楽です。そして整備や修理が終わって万全な状態でウクライナに戻れます。

 一方、ロシア側はF-16ウクライナ領内にいるうちに撃墜しなければいつまでもいたちごっこが続きます。もし業を煮やしてポーランド領に逃れたF-16を攻撃したらそれこそ第3次世界大戦です。ですから、不愉快でもポーランド領内への攻撃はできません。せいぜいNATOを非難するくらいでしょう。

 ソ連時代アフガン侵攻で聖域に苦しめられたのに、今度はロシアが聖域で再び苦しめられようとは、まさに歴史の皮肉ですね。ロシアは、アメリカ大統領選挙でトランプが勝つのを熱望していることでしょう。最悪アメリカの軍事援助が止まる可能性もあるのですから。という事でまだまだウクライナ戦争は予断を許しませんが、日本の国防のためにもロシアには負けてほしいですね。

カラハン朝、西遼(カラキタイ)の首都だったベラサグンの位置

 誰もついてこれないマニアックな世界に入っていますが、私は一つのことに関心を持つとその関連情報も調べたくなる癖がありまして、只今のマイブームはシルクロードでございます。これを書いている最中にも懐かしのNHK特集『シルクロード』のテーマ曲(喜多郎 絲綢之路)が脳内を流れています(笑)。

 さて、ヤフーブログ時代私は貴種流離譚が大好きだと書いた記憶があります。高貴な出身の人物が国を追われ異郷で活躍したり失敗して非業の最期を迎えたりする話です。異郷での成功者は後ウマイヤ朝イベリア半島に建国したアブドルラフマーン1世であり中央アジアに西遼(カラキタイ)を建国した耶律大石でした。逆に運命に逆らえず寂しく没したのがササン朝最後の王子ぺーローズであり日本で言えば北条時行足利直冬(ただふゆ)なのでしょう。彼らに関しては過去に記事を書いています。

 その中で、耶律大石がカラハン朝を滅ぼし首都にしたベラサグンの位置が謎だと書いた記憶があります。当時はイシククル湖畔か周辺の河川に面した場所ではないかと推定しました。ところが最近ネットで調べてみると、イシククル湖周辺ではなく湖の北、天山山脈の支流の北側、トクマクの南南東10㎞くらいにあるブラナ遺跡がベラサグンの跡ではないかと言われています。

 通常遊牧民族は王庭(単于庭)といって、要害の地に族長の大テントを中心に大小さまざまなテント群を設けて首都とします。これはいつでも移動できるようにすることと、緊急時には防衛しやすくするためです。通常は三方を山に囲まれ一方が開けた平野などに設けます。

 ところがブラナ遺跡は平野の真っただ中で周囲に要害となるような地形もなく本当に王庭があったのか疑問でした。ただカラハン朝時代からベラサグンは首都だったので、そこらへんに謎を解くカギがあるような気がします。カラハン朝もトルコ系遊牧民族が建てた国ですが、農耕民族を支配下に入れていたためテントではなく通常の都市を都としていたようなのです。

 実はシルクロードはイシククル湖ではなく山脈を隔てた北側を通っています。甘粛回廊の西端敦煌から西はタクラマカン砂漠が広がり、砂漠の南縁を通る西域南道と、北縁を通る西域北道に分かれます。西域北道も天山山脈の北を通る天山北路と南側を通る天山南路に分かれています。

 天山南路は5000m級のパミール高原を越えないといけないため、天山北路が主に使われました。その天山北路が通るのがまさにブラナ遺跡でありキルギスの首都ビシュケクも地方都市トクマクも天山北路沿いです。耶律大石は遊牧民族のセオリーである王庭方式ではなく、シルクロードの交易路を押さえ農耕民族を支配しやすいように都市を首都としたのかもしれません。

 そういえば、契丹族北宋の北にあった遼時代も遊牧民を支配する北面官、農耕民を支配する南面官を設け巧みに統治していましたからね。西遼時代も似たような統治機構だったのでしょう。