世界史
誰もついてこれないマニアックな世界に入っていますが、私は一つのことに関心を持つとその関連情報も調べたくなる癖がありまして、只今のマイブームはシルクロードでございます。これを書いている最中にも懐かしのNHK特集『シルクロード』のテーマ曲(喜多郎…
誰も興味ないと思いますが、私は一つのことに興味を持つとその関連情報を調べたくなるのでせっかくなので備忘録として記します。 黒水城(カラ・ホト)の記事で、甘粛省と青海省の境にそびえる祁連(きれん)山脈に源流を発した弱水は甘粛回廊部を北西に流れ…
24日のあさ8の雑談で百田さんがたまたま黒水城の話を出されて非常に懐かしく思いました。と言いますのも昔NHK特集『シルクロード』第4回で黒水城が紹介されていたんです。 黒水城は中世モンゴル語で『カラ・ホト』と呼びました。甘粛省と青海省の境界近く祁…
現在のイランの首都は国土の北寄り、カスピ海とイラン高原を隔てるアルブルズ山脈南麓に位置するテヘランですが、イラン高原のほぼ中央にあるイスファハーンもかつて繫栄した都市でした。どちらの都市も高原にありテヘランは海抜1200m、イスファハーンは海抜…
マイナーすぎて誰も知らないかもしれません。2億4千万人と日本の倍近くの人口を誇るパキスタン。最大の都市はインダス河河口に近くアラビア海に面する港湾都市カラチで都市圏人口2280万人です。パキスタン第二の都市は北部パンジャーブ地方の中心都市ラホ…
前記事陰麗華のところでちょっと名前が出た伏波将軍馬援(BC14年~49年)。実は祖先も子孫も面白い人物でした。馬援の先祖は戦国時代趙国を支えた名将馬服君趙奢(ちょうしゃ)。完璧の使者藺相如、名将廉頗と同時代の人で恵文王に仕えます。閼与(あつよ)…
支那の歴史上、どうしよもない悪女が多数登場します。その代表は前漢高祖皇帝劉邦の皇后で夫劉邦の死後漢王朝を乗っ取ろうとした呂后(呂雉)、唐三代高宗皇帝の皇后で夫を蔑ろにし国政を壟断した則天武后、清九代咸豊帝の側妃で事実上清を滅亡に追い込んだ…
現在の支那大陸、陝西省の省都西安はかつて長安と呼ばれる大都市でした。黄河が几状に湾曲する内側(南側)に位置し、南を秦嶺山脈に隔てられ東は函谷関、潼関の険に守られています。西は細い回廊である甘粛回廊に囲まれた盆地を渭水(いすい)盆地と呼びま…
今回はインド史や仏典に詳しくない一般の方は全く知らない都市だと思います。しかし仏教徒には忘れてならない重要都市です。釈尊が初めて布教した都市で時のマガダ国王ビンビサーラも釈尊に帰依しました。有名な竹林精舎もラージャグリハにあります。現在の…
考えてみたら世界の都市の物語シリーズもずいぶん長くなりました。最初はパリから始まってロンドン、テーベ、カイロ、北京、トレド、ウィーン、杭州、バルフ、セレウキアとクテシフォン、アンティオキア、メルブ、開封、パータリプトラ、アレッポ、サマルカ…
過去記事『支那事変における『点と線』批判に対する再批判』の続きになります。かなり前の記事なので覚えている方はほとんどいないと思いますが、そこでは支那事変で日本軍が都市(点)と補給線(線)しか支配できなかったので負けるのが当然とした論は軍事…
今ちょうど岡田英弘氏の『皇帝たちの中国』を読んでいます。これを買ったきっかけは、YOUTUBEで岡田氏の妻である東洋史学者宮脇淳子先生が同書を解説していたからです。私は宮脇先生が大好きで、勝手に「ずんこ先生」と呼んで慕っています。本人が知ったら怒…
世界史、支那史に興味のある方は少ないと思うのでスルーして下さいな。世界史書庫の前記事秦良玉の話で明末の反乱指導者張献忠について触れましたが、あまりにもお粗末な末路でした。せっかく蜀(四川地方)を得たのに、それを生かすどころか無意味な殺戮を…
久しぶりの世界史記事です。たまたま明末の農民反乱指導者で四川省において屠蜀(としょく 蜀【四川】地方の住民大虐殺という意味)という極悪非道なことをしでかした大悪人張献忠の末路がどうなったか気になって調べていた時に見つけた人物です。 その前に…
あまり興味のある方はいないと思いますが、書評『アレクサンドロス大王 その戦略と戦術』を書いて以来、ハンマーと金床戦術がなぜ衰退したかについてずっと考えています。このブログでは何回も説明したので知らない人はいないと思いますが、もし初めて読む方…
最近、ネットの世界史動画を見ていて縄文時代の日本は意外と豊かだったという話を聞きました。確かに日本は温暖で海の幸山の幸も豊富だったというのは理解できます。それに加えて実は稲作は縄文時代末期から始まったと知ってさもありなんと思いました。 過去…
史上二番目の世界帝国アケメネス朝ペルシアを築いたキュロス2世(紀元前600年ころ~紀元前529年)。現在のイラン南西部ペルシャ湾に面した小国アンシャンの王として生まれながら、宗主国メディアを倒し、現在のトルコにあったリディア、オリエントの中心だっ…
あまり支那の歴史に詳しくない方は、春秋戦国時代の秦が早くから超大国で支那統一をしたのも当然だと思っているでしょう。ところが秦は中原諸国から見たら西戎と区別のつかない蛮夷の国で文化の遅れた後進国、しかも国家間の約束も守れない虎狼之国と蔑まれ…
ネットでたまたま見たんですが、漢と匈奴の戦争の時、漢軍が匈奴に従っていた異質の軍隊を捕虜にし現在の甘粛省に連行、定住させたとありました。与太話の類かと思って調べたら出典は漢書・陳湯伝だそうです。 該当部分を記すと『紀元前36年、漢西域、最高長…
これは参謀本部が編纂した『朝鮮の役』に載っていたデータですが、参謀本部が同書で指摘していた通り正確なものではありません。というのも日本軍は短期間占領していただけで本格的検地などされなかったからです。朝鮮半島のように農業生産力の低い土地は石…
前記事で可敦城は遼王朝がモンゴル高原支配の拠点として建設したと書きましたが、その後調べた結果ウイグル時代(744年~840年)に唐から迎えた和蕃公主(唐が異民族君主を懐柔する目的で嫁がせた皇女)の居城として築かせたのが最初だと分かりました。 では…
久々の世界史記事、それもマイナーな話題で恐縮です。ほとんどの人は興味ないと思いますのでスルーしてください。過去記事『モンゴル五大河川と地勢』でモンゴル高原を本拠地とする遊牧国家(シナ呼称行国)は、モンゴル高原の中央を流れるオルホン川かその…
誰も興味ないでしょうが、日本史書庫で刀伊の入寇シリーズを書こうと調べていたときにふと興味を覚えたので残しておこうと思い記事にしました。と言ってもネット上で集めただけの情報なので非常に薄いものだということは予めお断りしておきます。 新羅は朝鮮…
東京オリンピックのおかげであまり報じられませんが、支那大陸黄河流域では豪雨による大洪水で深刻な被害が出ています。鄭州では地下鉄のトンネルが長さ4㎞にわたって冠水し6000名以上が亡くなったのでは?とも言われます。 黄河はその名の通り上流の黄土高…
世界史で習ったので覚えている人もいるでしょうが、支那大陸最初の統一王朝秦滅亡の原因となった反乱として有名ですよね。知らない人も多いと思うので簡単に説明すると、秦は過酷な法治政治で人民を弾圧し不満が蓄積していました。どんな理由があろうと法律…
古代シナのマニアックな話なので興味ない方はスルーしてください。 シナ大陸の地理をご存知の方は、古代の人口密集地は黄河中流域、几上湾曲部の東から河南省と山東省の境界くらいまでの所謂中原だったことをご存知だと思います。「中原に鹿を逐う」という言…
マイナーなイギリス史ばかり続いて付いてこれない方も多いと思います。これでイギリスシリーズは一応打ち止めなので興味ない方はスルーお願いします。 5世紀初頭、ローマ帝国がブリテン島から撤退したために生じた権力の空白。それに付け込むようにブリテン…
アーサー王伝説にでてくる都キャメロット。アーサー王に仮託される5世紀後半から6世紀初頭頃イングランドを統一したとされる王は実在したと言われます。ただアーサー王物語にある聖杯伝説や円卓の騎士などは後世の脚色で史実とは言い難いとされます。ですか…
前記事でアーサー王伝説のモデルとなった当時のブリテンの王がいたと考察しました。 ローマ帝国時代、スコットランドを除くブリテン島はローマ帝国の属州ブリタンニアでした。世界史に詳しい方ならご存知だと思いますが、属州には二種類あり比較的安定し文官…
アーサー王は5世紀末から6世紀初頭ブリトン人(ケルト人)を率いて侵略者アングル人、サクソン人、ジュート人などのゲルマン系諸族と戦ったとされ一応実在したと言われます。 アーサー王の出自には様々な説があります。ブリトン人の王子説、アルトリウスとい…