鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

大日本帝国陸軍兵備考Ⅱ  大隊・連隊・師団の組織と装備

 趣味の記事第2弾!前記事では中隊以下の装備と編制を考察しました。今回は大隊以上です。一応対英米戦を想定しているので大平原の戦い、ジャングルの戦い、島嶼部の戦いに対応できる汎用性を求める予定です。
 
 まず歩兵大隊から。大隊は通常三単位編制師団では歩兵3個中隊(4個の場合もあり)と機関銃中隊(重機関銃×12挺)、大隊砲中隊(九二式歩兵砲×2、九四式37㎜速射砲×2)から成ります。これは一応そのままで良いような気もしますが、できれば速射砲は一式機動47㎜速射砲か試製機動57㎜速射砲に変えるべきでしょう。ないものねだりですが米軍のパックハウザー75㎜空挺砲みたいな軽量で威力のある砲があれば大隊砲中隊はこれ一種で良いのですが…。砲弾の統一性もありますし。対戦車戦闘が不安となればHEAT弾(対戦車榴弾)を使えば良いだけ。
 
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                       ※M116パックハウザー 75㎜空挺砲
 
 
 あと機関銃中隊は、大隊レベルで持つより中隊レベルに下げて火器小隊の重機関銃装備を充実すべきだと考えます。
 
 
 
 次に歩兵連隊の組織。三単位師団では歩兵大隊3個と速射砲中隊、連隊砲中隊で連隊が構成されます。私はこれに不満があるのです。速射砲(対戦車砲)は連隊ごとに保有するより師団直轄の対戦車砲大隊として集中運用すべきだと思います。これはドイツ軍や米軍、ソ連軍に共通の思想で、歩兵連隊内には連隊砲大隊だけで統一すべきです。四一式75㎜山砲×12門と一種に統一するのが理想です。ということで私の理想とする歩兵連隊は歩兵大隊×3個、連隊砲大隊(四一式山砲×12門)1個とします。
 
 今度は砲兵連隊に言及します。個人的に一番改善の余地があるのが砲兵連隊です。大戦中の日本の師団は三八式野砲、九〇式野砲、九五式野砲の各75㎜野砲を主力としていました。1個砲兵中隊4門として大隊12門、連隊では36門でした。なかには九一式十糎榴弾砲(口径105㎜)を混ぜる師団もありましたが、合計36門は変わらず、48門定数なのは4単位編制師団のみでした。
 
 当時の世界の趨勢を見れば75㎜では威力が低すぎ105㎜以上の榴弾砲が主流となっていました。(例 独:leFH18 105㎜榴弾砲  米:M2/M3 105㎜榴弾砲)となれば我が皇軍も射程距離に若干の不満はあるものの九一式十榴を主力とすべきです。
 
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                             ※九一式十糎榴弾砲
 
 ただし、馬匹牽引ガラガラ車輪の旧型でなく車両牽引を前提としたゴムタイヤの機動九一式十糎榴弾砲にすべきだと思います。私は火砲の車両牽引を増やし歩兵も装甲兵員輸送車か輸送トラックを完備した自動車化師団に移行していくのが理想です。陸軍唯一の自動車化師団と言われた歩兵48師団のような師団を少なくとも常備師団全体に拡大すべきでした。
 
 ということで砲兵連隊は機動九一式十榴×12門装備の大隊3個計36門、そしてこれだけでは列強精鋭師団に撃ち負けるのであと1個砲兵大隊を増設して九六式十五糎榴弾砲×12門を装備すべきでしょう。架空兵器となりますがゴムタイヤ付の機動九六式にできればベストです。纏めると砲兵連隊は機動九一式十榴×36門、機動九六式十五榴×12門で計48門定数とすべきです。これでやっとドイツ歩兵師団並みの砲兵火力になりましたね。
 
 
 師団の主力である三単位の歩兵連隊と砲兵連隊はこれで完成しましたから、師団直轄の各部隊の考察に入ります。
 
 まず宿題の対戦車砲大隊から。実は砲兵連隊から75㎜を外したのは理由がありまして、こちらに持ってきたかったからです。といっても三八式と九五式は旧式すぎて使い物にならないので九〇式野砲を対戦車砲に転用したいのです。戦史に詳しい方はご存じだと思いますが比島決戦において、九〇式野砲はサラクサク峠の決戦で対戦車砲として使われ多くの米軍戦車を葬りました。私は榴弾徹甲弾を使い分けられソ連のM1936 76.2㎜野砲に近い万能砲だと評価しています。もちろん比島の戦車第2師団のように車両牽引ゴムタイヤの機動九〇式野砲にしなければなりませんが。
 
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                          ※ 機動九〇式 75㎜野砲
 
 対戦車砲大隊は、この機動九〇式を12門装備でいきます。あぶれた三八式と九五式、37㎜速射砲は支那戦線の二線級警備師団に回しましょう。戦意の低い支那兵には旧式火砲で十分♪
 
 
 師団には、捜索連隊と工兵連隊が直轄部隊として存在しますがこれもすべて自動車化すべきですね。捜索連隊の騎兵は全部装甲車にしましょう。あと師団全体を自動車化するなら整備大隊を設けるべきでしょう。輜重兵連隊も当然自動車化。おっと高射砲大隊も忘れてました!
 
 
 まとめると
 
◇師団
 
  ◆歩兵連隊×3個
  ◆砲兵連隊(火砲48門)
  ◆捜索連隊(自動車化)
  ◆工兵連隊(自動車化)
  ◆輜重兵連隊(自動車化)
  ◆整備大隊(自動車化)
  ◆対戦車砲大隊(12門)
  ◆高射砲大隊(12門)
  ◆通信大隊
  ◆防疫給水部
  ◆野戦病院
  ◆師団衛生隊
  
 
となります。いやあ理想の師団ができた!(笑)国力的に無理、燃料事情で無理、工業力で無理なのは百も承知。もし実現できたら日本はもっとましな戦いができたでしょうね。というより支那事変が早く解決して対米戦自体起こらないかも?(爆)
 
 
 嗚呼、チチハル大慶油田が戦前に発見されていれば!!!(嘆)