鳳山雑記帳はてなブログ

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大日本帝国陸軍兵備考Ⅰ  歩兵装備編

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                             ※三八式歩兵銃
 
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                             ※九六式軽機関銃
 
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                             ※九九式短小銃
 
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                             ※九九式軽機関銃
 
 
 すみません、完全に趣味の世界でございます。軍事とか戦史に興味のない方はチンプンカンプンだと思うのでスルー推奨です(汗)。
 
 
 最近、大東亜戦争で米英の精鋭師団に対抗できる我が皇軍の装備、編成を考えています。歴史にタラレバは厳禁だし、現実的な国力を考えた場合不可能に近いのですが、戦史を読んでいて歯がゆい思いをする事が多いので、どうすればより有利に戦えたか思考実験するのは悪くないと思っているのです。
 
 対米開戦時、陸軍歩兵の主力装備は口径6.5㎜のボルトアクション式ライフル三八式小銃から口径7.7㎜の九九式小銃に移行する途中でした。それと同時に分隊支援火器として同じ弾丸を使用する軽機関銃も九六式から九九式に移り変わろうとしていました。
 
 これが巨大な工業力を誇る米軍なら一年もたたないうちに完全移行できたと思いますが、哀しいかな貧乏国家の常として、末端の部隊では最後まで九九式小銃や九九式軽機を見た事のない兵士までいたそうです。一応九九式シリーズのメリットは口径が増大した分、威力が増し従来の九二式重機関銃も同口径なので弾丸の互換性が利くという点でした。ただし逆は不可で九二式重機の使用弾丸である九二式普通実包は新しい九九式シリーズには使えないという難点がありました。
 
 理想的には、ドイツのグロスフスMG42のように 九九式軽機関銃をベースに多目的化した汎用機関銃を開発した方が良かったと思います。実際陸軍も開発を目指し1943年には試製三式軽機関銃が作られたそうですがあまりにも遅すぎました。
 
 6.5mmから7.7mmに口径が増大したのは、支那事変で国府軍が使用するドイツ製の7.92㎜モーゼル弾のGew88(有名なモーゼルKar98kの先祖)に撃ち負けたり、九六式軽機では発射音が小さくて支那兵が逃げない事に現場の部隊から不満が続出したのが理由らしいです。ただ個人的見解では日本人の体格を考えた場合6.5mmの方が良かったのではないかと考えています。日本人と同じように欧州では体格が小さいイタリア軍も6.5mmを採用しています。7.7mmだと体格が小さい日本兵はガク引きになって命中率が落ちるような気がします。
 
 7.92mmのような弾丸は威力は高いものの支那兵もそれほど体格が大きいとはいえないのでろくに当たらなかったのではないかと思います。それよりも同じ7.92mmのチェコ製ブルーノZB26軽機関銃が優秀すぎたために幻惑されただけでしょう。
 
 現代のアサルトライフルが7.62mmNATO弾から5.56mmNATO弾に小口径化した流れを見ても、6.5mm実包という有坂成章少将の選択は間違いなかったように思えます。それよりも私は歩兵小隊、歩兵中隊の編成を見直して八九式重擲弾筒装備の火器小隊を充実させた方が良かったと考えるのです。
 
 通常陸軍歩兵小隊は小銃分隊軽機関銃1挺、小銃11挺)3個と擲弾筒分隊(擲弾筒3門)で構成されます。歩兵中隊は歩兵小隊3個から成り、機関銃中隊(九二式重機関銃12挺)は大隊レベルでしか登場しません。これを米軍並みに中隊レベルで3個歩兵小隊の他に火器小隊を設けて八九式重擲弾筒9門と九二式重機関銃4挺装備したら歩兵中隊の火力はかなり増大します。
 
 この八九式重擲弾筒は、ドイツ軍の50mm軽迫撃砲に近い威力(ただし射程は短い)を持ち、わずか4.7kgと軽いため運用しやすいという優れ物です。米軍も八九式の優秀性は認めています。もっと多量に装備したかったですね。
 
 まとめると歩兵中隊は従来の歩兵小隊3個+火器小隊を基本編制とすれば歩兵の使用する小銃と軽機関銃は6.5mmで良かったように思えます。次は大隊、連隊レベルで考察してみましょう(笑)。