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書評 「兵頭二十八の防衛白書2014」

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 最近、私が認める高名な軍事評論家だった故・江畑謙介氏の一連の著作を読みつくしていたので(ただしロジスティクス関係はアマゾンのレビューがイマイチなので買ってない)久しぶりに兵頭二十八(ひょうどうにそはち)本に回帰しました。

 立て続けに割と新刊の「北京が太平洋の覇権を握れない理由」「日本人が知らない軍事学の常識」「兵頭二十八防衛白書2014」(ともに草思社)「こんなに弱い中国人民解放軍」(講談社+α新書)の4冊を読みました。

 この中で、特に皆さんにお勧めするのは「日本人が知らない軍事学の常識」「兵頭二十八防衛白書2014」の2冊。まったく軍事知識がない人には内容が難しいかもしれませんが、素人でも最低限程度知ってる人(私ね♪)にとっては無類に面白い!さすが兵頭二十八さんだと感心しながら読み進めました。

 ですが兵頭本を読むときの注意事項が一つ。さすがに専門の軍事記述は面白いんですが世界史解釈と経済・国際法関係には時々疑問符がつくのでまるっきり鵜呑みにするのは危険です。軍事に関してはまあ納得しつつも、経済・世界史・国際法に関しては話半分に聞いておくのが無難だと思います。それでもなかなか鋭い指摘があって唸らされます。

 私が兵頭さんを絶賛するのは、支那と朝鮮に関する評価です。彼らは儒教文化圏その中でも朱子学中心なので大義名分(その多くは歪んで間違っているが…)のためには平気で嘘をつき国際信義を蔑ろにするという指摘です。国際社会は、近代的法概念(罪刑法定主義、国家間の条約順守など)で動いているので特亜は異質な存在だと兵頭さんは断定しています。私もその通りだろうと考えます。

 特亜の様な前近代国家(そして永遠に近代国家に脱皮する事もない)とはまともな付き合いはできません。その証拠が日韓基本条約で請求権は完全かつ最終的に解決しているにもかかわらず、平気で捏造慰安婦に対する謝罪と賠償を要求するところです。日本国内にも近代法概念のない連中(反日左翼でしかも法曹界も多い!)が同調しているところは末期症状だと思います。こんな基地害どもとは付き合うべきではないという兵頭さんの結論に私も大賛成。

 あと軍事関係で面白いと思ったのは、ロシアも支那も例え核戦争になっても絶対にアメリカに勝てないというところ。ミサイルにしろ爆弾にしろ精密誘導するためにはGPSを利用しますが、アメリカはいざとなったら商用GPSの電波を止めることができるそうです。アメリカだけは軍だけで独自使用するGPSがあるためまったく問題がないとか。一方、支那にしてもロシアにしても全地球規模での独自GPSシステムを持たないため、アメリカ本土へのこれらの攻撃は無効化できます。アメリカの商用GPSを利用せざるをえませんからね。

 ロシアの場合は予算不足、支那の場合は一応「北斗システム」という独自のものがありますがカバー空域(支那周辺限定)と精度の面から話にならないそうです。そこから支那アメリカを脅すために使う対艦弾道弾がまったくのハッタリだと理解できますね。


 決して難しい内容ではないので(ただしまったく軍事知識のない方は用語をググる必要はありますが)ゴールデンウィークに布団かソファーで寝転がって読めると思います。私もほとんど寝転がって読みました(笑)。皆さんも面白くてためになる兵頭さんの本を是非お読みください。