鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

世界の年間原油生産量

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 表の見方ですが、データはトンだったので、1トン=1.176キロリットル、1トン=7.396バレルで計算しています。日本に関しては逆にキロリットルの数字しか見つからなかったのでトンとバレル換算をしています。石油自給率に関しては資料が数多くあり数値もまちまちなのであまり信用しないで下さい。ちなみに天然ガスの生産量は含みません。確かアメリカはシェールガス革命で輸出に転じていたはず。石油に関しても2020年頃には純輸出国になるそうです。上の数値は2015年のデータです。

 何でこの表を書いたかというと、最近兵頭二十八さんの『極東日本のサバイバル武略』を読んだのがきっかけでした。兵頭さんは軍学者として非常にユニークな視点で日本の安全保障を論じる論客として大好きな人物なのですが、この本に関しては疑問符がついたのです。

 兵頭さんによると、支那南シナ海進出はボルネオの石油資源獲得を狙ったものだそうです。ただ、私は趣味で戦史を研究していて東南アジアの石油生産量が大した事ないと知っていたので念のため調べてみました。するとやはり、マレーシアで26位3188万トン、ブルネイで29位620万トンととても不足する支那の石油需要を賄えるような生産量じゃないんですよ。もちろん埋蔵量換算でいうと話は違ってくるのかもしれませんが、すくなくとも2億トン弱は必要になってきます。インドネシアの3990万トンを加えてもとても足りません。

 私は、支那の目的はボルネオの石油資源ではなく国際海運のチョークポイント、マラッカ海峡のコントロールを狙ったものだと考えています。そしてそうなった場合日本は死命を制される事になり存亡の危機に立たされるのは間違いありません。




追伸:
 誰も読んでいないと思うけど、追加資料。世界の原油確認可採埋蔵量(http://www.noe.jx-group.co.jp/binran/data/pdf/6.pdf)によるとブルネイ、マレーシア、インドネシアを合わせた確認可採埋蔵量は約80億バレル。サウジやアメリカなら2年で掘り尽くすレベル。とうてい支那の石油需要を満たすとは思えません。ちなみに世界で一番石油埋蔵量が多いのは南米ベネズエラで約2983億バレル。桁違いです。アメリカですら485億バレルあります。

 やはり兵頭さんの、支那のボルネオ油田奪取目標説は虚構ですね。インドネシアのそれはボルネオ以外のパレンバンとかも含みますから。これで本当に支那がボルネオを狙って南シナ海で横車を押しているんだとしたら正真正銘のアホです(苦笑)。