サイレンススズカ当時4歳、3歳時は高い素質を謳われながらも体質が弱くもどかしいレースが続いていました。ところが明け4歳のバレンタインSから5連勝。特に前走の宝塚記念GⅠは、メジロブライト、メジロドーベル、エアグルーヴ、ステイゴールド(オルフェーヴルのおとっつぁんね♪)などを強豪を下し驚異的なハイペースで快勝していました。
ここにきてようやく開花した稀代の逃げ馬に恐れを成して、毎日王冠は回避が相次ぎわずか9頭という出走頭数でした。しかしそれでも残った馬たちだけにレベルが高く9頭中8頭が重賞勝ち。
中でも注目は無敗の3歳馬の2頭。グラスワンダーは2歳時の朝日杯GⅠをレコード勝ちしながら骨折で春シーズンを棒に振りこれが復帰初戦。一方エルコンドルパサーも同じく無敗でNHKマイルカップGⅠを制し底を見せていない大器。
豪華な三強の対決見たさにこの日府中に集まったのは13万人の観客、GⅠ並の多さでした。
私もこの3頭は大好きな馬でしたのでテレビで手に汗握りながら見ていたものです。
レースは、前評判通り驚異的なハイペースで逃げるサイレンススズカに最後の直線でまずグラスワンダーが挑みかかります。ところが休み明けの影響でスズカのハイペースに付いて行けず失速。次にエルコンドルパサーがようやく上がってきますがスズカは安全圏を悠々逃げ切り。
レースが終わった後もしばらく興奮が収まりませんでした。このレースのレベルがどれだけ高かったかですが、その後グラスワンダーはグランプリ三連覇(有馬・宝塚・有馬)、エルコンドルパサーはその年のジャパンカップで古馬と外国馬をねじ伏せて優勝し次の年は海外へ。サンクルー大賞典GⅠ優勝、凱旋門賞では逃げてモンジューに最後の直線差されるも差しかえしもしや?と思わせる大善戦の末半馬身モンジューに屈するという非常に惜しい2着、この成績を見ても証明されるでしょう。