以前から気になっていた本ですが、いつでも読めると思って忘れては思いだしを繰り返し、今回やっとアマゾンで購入しました(笑)。
著者の桜林さんは、元アナウンサー出身のジャーナリストです。彼女はもともと軍事に詳しかったわけではありません。真剣な態度で分からないところは猛勉強して知識を蓄え理解し本書を書いています。
これこそジャーナリストのあるべき姿じゃないでしょうか?歪んだ思想のフィルターを通してしか物事を見れない性根の腐った自称ジャーナリストが多い中、こういう真摯なジャーナリストは少なくなりましたね(嘆)。
本書は、その彼女が防衛に携わる企業に取材した本です。有名どころの三菱重工だけではなく中小企業まで広く取材しています。
本書を読んで改めて思う事は防衛産業の裾野は広いんだなということ。そしてほとんどの企業がお国のために!と採算を度外視して装備・部品を生産し納入しているという事実です。私は思わず感動してしまいました。
防衛予算を削るという事は、こういう真摯な企業の首を絞める事だと痛感させられました。一度失われた技術は決して戻ってきません。
90式戦車だけで1300社が関わっているといいます。防衛費増額は直接の防衛力アップはもちろん、こういう防衛産業ひいては日本経済全体に波及効果があるんじゃないですか?
一人でも多くの日本人が本書を読み、防衛産業の実態に触れ無知無能な政治家に圧力をかけなければなりません。本書は日本人必読の書です!