鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

エジプト空軍がJ-10を採用?イスラエルは30年安泰だな

「戦闘機界のシビックF-16が選ばれなくなってきた根本理由


 当初、高価なF-15イーグルとのハイローミックスでコストパフォーマンスに優れた比較的安価な単発の軽戦闘機として登場したF-16ファイティングファルコン。ところがイーグルがあまりにも高価だったため採用国は本国アメリカ以外日本やサウジアラビアなど金持ちの国か周辺国と本気で戦争しているイスラエルのみ。最近になって戦闘爆撃機型のF-15Eが韓国やシンガポールカタールなどで採用され始めたくらいです。

 一方、F-16NATO諸国やイスラエル、韓国は言うに及ばずエジプト、台湾、タイなど世界中で採用され2018年現在で4600機以上生産されています。まさに戦闘機のベストセラーです。

 安価で使い勝手の良い戦闘機としてスタートしたF-16ですが、アップデート、改良を続けるうちにF-15に勝るとも劣らない高性能戦闘機に生まれ変わりました。最新型であるF-16ブロック70/72はF-16Vとも呼ばれステルス性の無いF-35と形容されるほどです。つい最近、台湾が採用し来るべき台湾有事に備えています。

 エジプトは、老朽化したF-16A/Bの後継としてアメリカにF-35の売却を打診したそうですが、アメリカは安全保障上の理由から断り代わりにF-16Vの採用を提案しました。ところが値段で折り合わずエジプトはF-16Vの採用を断念、当初はロシアのSu-35の導入に傾いていたそうです。しかしウクライナ戦争が発生してこの話も御破算になりました。

 そこでシナのJ-10C戦闘機の採用を内定したと言われています。はっきり言ってJ-10Cは最新型のF-16Vと比べるのも失礼なくらいの低性能機。シナ本国でもハイローミックスでハイのJ-11に対するローに位置しています。最近は戦争の可能性は低くなっていますが、潜在的仮想敵であるイスラエルにとっては朗報でしょうね。F-35を運用するイスラエル空軍もF-16VならてこずるでしょうがJ-10Cなら相手にならないでしょうから。

 そもそもF-35を導入したかったのならF-16Vでもそう変わらないと思うんですがね。同じく老朽化したF-16A/Bの代替にF-35を希望して断られたタイは、スウェーデンのサーブ39グリペンE/Fを採用しました。こちらの方が正解のような気はしますね。グリペンは真の意味でのコストパフォーマンスに優れた軽戦闘機ですから。ウクライナF-16とともに供与を希望したくらいです。

 エジプトも航空戦力の低下を防ぐならグリペン採用が良いような気もしますが、まあ他国の事だから知ったことではありません。イスラエルもJ-10Cを採用してくれた方が嬉しいでしょう。一方、日英伊が共同開発している次期戦闘機にサウジが資金面で参加するという話にはイスラエルは神経をとがらせていると思いますよ。

 今のところどのような性能になるか分かりませんが、F-35に匹敵するかそれを上回る性能になったらイスラエルにとっては脅威でしょうから。ここは仲良くイスラエルにも売却という話にした方が中東の軍事バランスを崩さなくて済むと思います。

 まあ、エジプト空軍がどんな戦闘機を採用しても日本には関係ありませんが日英伊共同開発の次期戦闘機にサウジが加わるという話は慎重に進めた方が良いと思いますね。個人的にはサウジの参加には反対です。イスラエルに恨まれかねないですから。