ご存じＵＢＩソフトの看板オープンワールドＦＰＳ、ファークライシリーズ。２では内戦で混乱するアフリカ某国、３は南海の孤島、４でヒマラヤと舞台を替えてきた本シリーズもついに紀元前１万年という原始時代が舞台になりました。学問的には新石器時代の末期、人類が狩猟社会から農耕社会への向かう過渡期というところでしょうか。
当然原始時代ですから、銃はありません。私のようにアサルトライフルぶっ放してヒャッハーしないと気が済まない人は向かないかなと考えていました。武器と言えば槍、弓、棍棒、スリングなど。地味すぎます。しかし、いざ始めてみるとここまではまるとは思いませんでした（苦笑）。
主人公タカールは、ウィンジャという放浪部族の若者。当時のヨーロッパはオロスと呼ばれていました。すでに北方の寒冷地帯にはネアンデルタール人がモデルだと思われるウダムという強力な戦闘民族がいます。南方には火を扱うのが巧みで農耕文明の初期に突入しつつあるイジラという部族が存在していました。
新参者のウィンジャ部族は、両者から迫害され散り散りになっています。同族を集め拠点を発展させ敵を滅ぼしオロスを統一するというのがゲームの目標です。他所者のくせに先住民を滅ぼすというのはヨーロッパ人のエゴを見せられているようで気分悪いですが、気のせいでしょうか？南方部族イジラが東洋系あるいは古代オリエント系の顔なのも気になります。所詮ゲームの世界ですが、あり得るかも？と思わせる説得力はさすがＵＢＩというところでしょうか。
しかも原始時代なので、人間だけでなく野生動物の宝庫なのです。マンモスもいればサーベルタイガーもいます。紀元前１万年にこれらの絶滅種がまだいたかどうかは甚だ疑問ですが（苦笑）。ろくな道もなくあるのは獣道くらい。野生動物は人間を見かけると躊躇なく襲いかかります。餌ですからね。サーベルタイガー、ジャガー、サイ、猪、ヒグマはてはマンモスまで！ゲーム序盤でマンモスに因縁つけられたらほぼ終わりですかこの緊張感がたまらない！終盤でも死ぬ時は死にます（爆）。
しかも一部の動物は飼い馴らして同行者（者じゃなくて動物だけど…）にしたり乗りこなす事ができます。ファークライ４で象さん無双を経験しましたが今回はマンモス無双ですｗｗｗマンモスに乗って敵拠点に突撃し巨体で踏み潰したり上から矢で攻撃したり、楽しいったらありゃしない。でもあんまり調子に乗ってると池や川に落ちてマンモスもろともアボンになりますから気をつけないと駄目ですよ。実際経験あります（爆）。マンモスって泳げないんですね（苦笑）。
ここからはネタばれなので今後ゲームをする可能性のある方はご遠慮ください。
ゲームは、ウダムの最終拠点で敵の首領ウルを倒し、南方のイジラ族の寺院で太陽の娘（卑弥呼か！）と称する女王バタリを倒せばクリア。難易度的にはウルが先の方がいいかも？ウル自体がウダム族最強の戦士なうえにザコが無限湧きする厳しい戦闘でしたが、回復手段をＭＡＸまで上げ狩りミッションをクリアし最強のサーベルタイガーを仲間に連れていけば長期戦ですが何とかなります。私の場合は４０分くらいかかりました。
イジラ族との最終決戦は、ラスボスのバタリが直接行ける所に居ないため弓で攻撃しなければなりません。練習も要るし能力をＭＡＸまで上げないとほとんどダメージを与えられません。敵の動きを読んでヘッドショットを決めるのが本当に難しい！こっちもザコは無限湧きですが、波があるので対処は楽です。
両者を倒して（その前にメインミッションはすべて終わらせておかないといけませんが）本拠地に帰って人々に話しかけるとエンディング。仲間になったウダム族の戦士ダーは病気で先が長くないのでタカールの手で殺してくれと頼みます。グッときながらもナイフをダーの胸に突き刺すタカール。一方、イジラ族のロジャニは戦いが終わった後も自らの部族に帰らずウィンジャと行動を共にする事を選択します。ウィンジャに農耕を教えいずれ彼らがヨーロッパ人になるのでしょう。
ゲーム時間としては２０時間から３０時間くらい。ファークライシリーズとしてはあっさり目ですが、没入感はピカイチです。私なんか、ゲームに入る時は原始人になったような覚悟で遊びましたから（笑）。ただ、はじめ人間ギャートルズみたいな軽いノリで挑んだら痛い目に遭いますよ。原始時代は殺戮の世界。敵も味方も女子供にも容赦しません。敵拠点を制圧した後逃げ惑う女子供の頭を棍棒でかち割ることにショックを受けるような人は遊んではいけません。狂わなければ厳しい原始時代を生きていけないのです。
絶対に日本では作れないようなゲームです。開発はドイツの開発会社だそうですが欧米人の考える原始時代なのでしょう。日本で作ったら変に人道的になって大甘のつまらないものになったでしょうから。生き残るためには敵対部族は絶滅させなければなりません！シビアな世界ですがこれも人類史の負の側面だと感慨深くなりながら私はゲームをしていました。ですから非常に人を選ぶゲームですが、はまる人ははまると思います。
