ベトナム人民軍には陸海空軍があります。事実上の国軍ですが共産圏の軍隊ですから支那と同様共産党の軍隊です。共産党総書記をトップとするベトナム共産党中央軍事委員会が最高意思決定機関であるのは支那人民解放軍と同様ですね。
それでは具体的に見ていきましょう。まずは陸軍から。
◇ベトナム人民陸軍
主力部隊として4つの軍団を持ちます。
第1軍団(ハノイ周辺の防衛担当。5個師団、3個旅団基幹)
第2軍団(北部国境防衛担当。4個師団、3個旅団基幹)
第3軍団(ベトナム中部担当。1個師団)
第4軍団(ベトナム南部国境防衛担当。2個師団基幹)
これを見ると明らかに支那からの侵略に備えていますね。装備もT-72×480両、T-62×220両、T-54×990両となかなかです。その他支那の59式軽戦車×360両もありますがこれは中越紛争で支那側の59式がぼろぼろだったのであまり期待できないでしょう。ベトナム戦争での鹵獲品であるアメリカ製のM48×100両、M41×100両とありますが、メンテナンスできているかどうか疑問です。ただ、もしまともに動けば命中精度は高いので支那陸軍にとっては脅威でしょう。
ベトナム軍がソ連式編制をとっているなら第1軍団の第308、第320機械化歩兵師団、第2軍団の第304機械化歩兵師団はそれぞれ1個戦車連隊を隷下に持っているはずなので軍団直轄の戦車旅団(第1、第2軍団に各1個)とともに機甲戦力は対支那防衛戦に集中していることになります。おそらく一番の戦力であるT-72はこの方面に配備しているでしょう。
戦力的には支那陸軍にかなり拮抗できる戦力を有していることになります。次に空軍。
◇ベトナム人民空軍
3個航空師団を持ち、その他海軍航空隊もあるそうです。主力装備はSu-27×9機、Su-30系×49機、MiG‐21×77機、Su-22×57機ほか。
Su-27、Su-30のフランカー系以外は支那空軍に太刀打ちできないような気がします。最もモンキーモデルとはいえ純正ロシア製のベトナム空軍と不正コピーの(一応輸入もあるが…)支那空軍の真価は問われるでしょう、どちらにしろ。支那自慢のJ-10の正体は暴露されるでしょうね。支那はF-16に匹敵すると言ってますが果たしてどうでしょうか?
◇ベトナム人民海軍
実は一番問題なのが海軍です。2011年6月現在、ジェーン年鑑のデータですがロシア製のキロ級潜水艦はこの当時建造中なので今何隻実戦配備しているか疑問です。おそらく多くても2~3隻程度。水上艦艇に至っては一応ロシア製の改ゲパルト級フリゲート×2隻、ぺチャ級フリゲート×5隻、各種コルベット×9隻と若干のミサイル艇のみ。
フリゲートもサイズ的にはコルベットで、まともな戦力は改ゲパルト級のみ。短SAM(艦対空ミサイル)連装発射1機(20発)、SSM(艦対艦ミサイル)4連装発射管2機、哨戒ヘリコプター1機とこのサイズ(満載排水量1500トン)にしては十分すぎる能力を持っています。もう一つのフリゲートであるぺチャ級は対潜装備のみとごく普通のコルベットです。
台湾みたいにキッド級ミサイル駆逐艦やオリバーハザードペリー級フリゲートのような高性能艦をアメリカから格安で譲ってもらっていたなら安心ですが、なにせアメリカと戦争してましたからね。海軍力の弱体がベトナム一番の泣き所でしょう。海上戦闘ではおそらく支那海軍に瞬殺されます。まあ対艦ミサイルで支那艦艇の何隻かは道連れにするでしょうが…。
支那も海上だけで戦争すれば楽勝なのに最近のニュースでは国境沿いに続々と陸軍部隊を集結中とか。この驕りは高くつくと思いますよ。日本も支那にパラセルやスプラトリーを制せされるとシーレーン防衛に致命傷となりかねませんので政府はもっと危機感を持ってほしい。海外からの資源輸入が途絶すれば日本は干上がります。本気で取り組まないと手遅れになりますよ。集団的自衛権の是非などという空理空論で時間を費やしている場合じゃありません!(怒)