何となくアマゾンを見てたらこれを見つけて即買いしました(笑)。新紀元社の「武器と防具」シリーズは豊富なイラストで好感を持っていたんですが、まさか幕末編がでているとは…。
幕末維新期に日本で使用された小銃、拳銃、大砲はもちろんのこと幕軍歩兵や主要諸藩の軍装、軍隊組織まで紹介され初心者からマニアまで満足できる良書です。
薩長土肥や会津などの主要どころは知っていたんですが、大村藩、庄内藩、篠山藩などマイナーなところまで網羅してあるのは凄いと思います。
しかも組織については薩摩など歩兵砲兵はもちろんのこと輜重、火工(工兵のことか?)まで組織してあったことを初めて知りました。こりゃ幕府軍も負けるはずです。
一方幕府側でも近代装備軍隊である幕府歩兵隊の実態が詳しく載っています。ナポレオン3世から贈られた、当時の日本ではオーパーツともいうべき近代的ボルトアクションライフル、シャスポー歩兵銃はあまりに精密すぎて湿気の多い日本では故障が多発したとのこと。常々幕府歩兵隊がなぜ薩長軍に負けたか疑問に思っていたんですが、原因の一つが分かって納得しました。もっとも士気の点で大きく負けていたのが大きいんですが…。
さらになんと会津藩に少数ながら世界初の実用ボルトアクションライフル、ドイツのドライゼ小銃が輸入されていたことは初めて知りました。ただドライゼ小銃用の弾薬がほとんど補給できず実戦には使われなかったそうです。もし実戦で使用されていたら会津戦争はさらに凄惨な結果に終わったかもしれません。ドライゼ小銃は発射速度が速くスナイドル銃など新政府軍の小銃の5倍の発射速度があったと言われています。なおドライゼ銃に関しては別に記事にする予定です。
最後は会津が負けるにしても犠牲者の数が大幅に増えていたかもしれません。
初心者には新鮮な、ある程度歴史を知っている人にも新たな発見があってとても勉強になります。幕末維新史に興味がある方、購入を検討されては?