第2次大戦まで海軍の主役だった戦艦には各国の設計思想が現れます。とくに日本のパゴダマスト(檣楼){ちょうどビルマの仏塔(パゴダ)に似ているところから名付けられた}と並んで、アメリカの籠マストは有名です。
日本のパゴダマストがどんなものか想像できない方は、扶桑型戦艦を思い浮かべてください。あのゴテゴテとした馬鹿高い塔です(笑)。復元力悪そう。
諸外国からは奇異の目で見られていたんですが、米海軍の籠マストも不思議なものでした。でも両者ともちゃんと意味があるんですよ。もともとは英海軍のような三脚マストだったんですが、戦闘で損傷しやすかったなどの理由がありアメリカ海軍は悩みます。
そこで米軍は、三脚マストと同等でより軽い籠マストを採用することで対策としました。籠の部分がクッションになってマスト直撃を避ける狙いもあったみたいです。
それに対して英海軍や日本海軍は、三脚自体を強靭にすることで問題解決したみたいですから、どっちが良かったんでしょうねェ?
ただあんまり実用的じゃなかったらしく、真珠湾攻撃で沈んだ戦艦は、引き上げられた後はノースカロライナ~アイオワ型のマストに改修されています(笑)。
ちなみに扶桑がなんであんな馬鹿高いマストにしたかというと、敵艦の照準を狂わせるためだとか。本当かねえ?単にいろんな部署の要求を入れてるうちに(やれ探照灯をつけろだの、司令室はもっと広くしろなど)、あんなとりとめもない形になったのでは?と邪推してしまいます(笑)。
写真は上が米超弩級戦艦(けっして大きいって意味じゃないからね、ドレッドノート級を超えるという意味だかんね)の第5世代、戦艦テネシー。2枚目が扶桑級2番艦の戦艦山城。どうです?特長がでてるでしょ?(笑)