鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

U‐ⅩⅦB  - ヴァルター機関搭載のUボート -

イメージ 1

Uボート (XVIIB型)は、第2次大戦中のドイツ海軍の沿岸哨戒潜水艦。ヘルムート・ヴァルター (en:Hellmuth Walter) が提唱した、高濃度過酸化水素を用いた非大気依存推進 (ヴァルター機関) により、水中高速力を実現することを目指した実験艦。1943年から1944年までの間に3隻が建造された。

第2次大戦後、建造された3隻のうち2隻は、アメリカおよびイギリスに接収された。アメリカに接収されたU1406は、実験に供された後、1948年5月18日に解体された。イギリスに接収されたU1407は、HMS メテオライトとして再就役した。

                       - フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より -

 ヴァルター機関とは、

『80%濃度の過酸化水素は、比重1.36、淡黄色、刺激臭の芳香を持つ液体で、機密保持上「インゴリン」(または、Tストフ=T液)と呼ばれた。この液体は有機化合物、鉄さび、銅、鉛などに接触すると、激しく反応して分解するため、安定剤として少量のオキシキノリンおよびピロリン酸ナトリウムを混合し、アルミニウム、陶器、ステンレス、ポリ塩化ビニルなどで作られた容器に入れて保管される。この液体は触媒に触れると質量1kg当たり552kcalの熱を出して酸素ガスと水蒸気(水)に分解する。
触媒としては、過マンガン酸ナトリウムや過マンガン酸カルシウム(通称Zストフ=Z液)の水溶液を用いる。
高温式ヴァルター機関は、発生した酸素と燃料(軽油メタノール、水和ヒドラジンなど)とを混合して燃焼させ、発生する高温高圧ガスを作動流体として利用するものである。低温式よりも経済的で出力の制御も可能であるため、比較的長時間の使用に適している。また、燃焼ガスの温度は必要に応じて水を加えることにより調整する。』(同ウィキペディアより)

というもので、シンプルなシステム構成でありながら大出力を得ることができ、将撮揃燭録綯翅度25ノットという高速がだせました。

 ただ、過酸化水素の取り扱いの難しさと燃焼室で発生する一酸化炭素二酸化炭素の漏洩対策、水中に排出された二酸化炭素の気泡がソナーに探知されやすいなどの理由で、より高性能な原子力機関の登場で忘れ去られました。

 しかし第二次大戦当時の潜水艦で25ノットもの水中速力を出せるのはヴァルタータービンしかありませんでした。(他はせいぜい10ノット未満)
 このような高速潜水艦を建造できたドイツの技術力には感心します。