鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

『いわゆるA級戦犯』小林よしのり著 買いました!

イメージ 1

 私は小林よしのり氏とは基本的には考え方が一緒だと思っています。時々細かい事で違いがあるにしても。彼の『戦争論』『台湾論』は自分が知らなかった事実も教えられ、不朽の名著だと思っています。
 そして、この『いわゆるA級戦犯』、タイトルに惹かれ本屋で立ち読みしてたのですが、読んでいくうちにこれはぜひとも購入しなければと思いました。

 私が一番衝撃をうけたのは文官でありながら、唯一A級戦犯とされ死刑判決を受けた広田弘毅です。彼については城山三郎の小説『落日燃ゆ』で知っていたのですが、その後の左翼が書いた本に影響され、広田自身も軍部に加担し戦争の原因を作ったという暴論をある程度信じていました。しかし、あらためてこの本を読んで広田の人格に触れるにつれ、それは間違いだったと思い知らされました。
 広田の死刑判決は、アメリカ側でも予想しなかった判決で傍聴席や記者団からどよめきが起こったほどでした。

 広田は、責任(それも連合国が勝手にこじつけたものでしたが…)を死者に押し付けて徹底的に無罪を主張したら助かる可能性が高かったと言います。しかし彼は証人台にたって無罪を主張するように勧める者に対して
「私が証人台に立てば検事から色々な尋問を受ける。それに対して正直に答えれば他人のことに触れなければならない。それでは他人に迷惑がかかる」
と、頑として拒否したそうです。そして自分が外相在任時にシナ事変が起こった以上、戦争を防げなかった責任は自分にもあると従容として死を迎える覚悟をしていたといいます。

 その広田に対して、戦後の馬鹿左翼は広田が黙っていたら助かると思い込んでいたと罵倒し、「シナ事変の責任を一言も言わず、押し付けられたと言って責任逃れをしていた。」とボロクソに書いています。
 おそらく私も、こんなクズの書いた本を読んで広田を誤解していたのでしょう。

 広田の泰然自若とした立派な態度にたいして、日本と日本人を憎み悪く言う反日左翼どもの悪辣な本の影響を受けていた自分が恥ずかしいです。しかし、真実の広田弘毅像に触れられて清々しい気持ちになれました。

 この本は、漫画ですがなかなかの良著です。皆さんも一読をおススメします。