鳳山雑記帳はてなブログ

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支那原子力潜水艦の圧壊深度

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 最初に用語解説から。MPaって何の事か分からないと思います。Paパスカルといって圧力の単位。気象用語で気圧の単位をヘクトパスカルって言うでしょ。あれです。MPaはメガパスカルと読み100万パスカルに当たります。

 最初の表は、潜水艦の船体に使われる高張力鋼の一覧表でMPaの数が多いほど強い圧力に耐えられるという事です。これをみると日本はアメリカやロシアとほぼ互角だという事が分かります。2番目、3番目の表はそもそも潜水艦の能力が軍事機密でほとんど分からないのであくまで推定値です。

 大雑把にいって戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)は、だいたい300mも潜れればよいと言われます。なぜなら水中でSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射するのが主任務なのであまり深いところでは発射できないからです。水圧で潰れてしまいますから。

 一方、攻撃型原子力潜水艦(SSN)や通常動力型潜水艦は、敵潜水艦や艦船を攻撃するのが主任務なので深く潜れれば潜れるほど高性能です。一般的に、潜水艦は通常作戦行動をするのに支障のない深度を戦闘深度(あるいは最大運用深度)と呼び、それ以上潜れば壊れる限界の深度を圧壊深度と呼びます。第2次大戦中の潜水艦で例を上げるとUボートⅦCで戦闘深度200m、圧壊深度250mでした。

 現代の潜水艦は、これよりもっと潜れます。軍事機密なのであくまで推定ですが日本のそうりゅう型は戦闘深度500m、圧壊深度650mと言われます。アメリカの攻撃型原潜もこれくらいだそうです。ただシーウルフ級は一説では戦闘深度が610mとも噂されますがそのために建造費用が高騰しすぎて3隻しか建造されませんでした。米海軍は、高性能なシーウルフ級を諦めヴァージニア級をロサンゼルス級の後継に決めます。イギリスのトラファルガー級攻撃型原潜も同レベルだそうです。(最新型のアスチュート級はもっとか?)ドイツ海軍は浅海域を中心に活動しているので潜水艦にそれほどの潜水能力は求められていません。ですからあくまで推測ですが212型やその輸出タイプ214型は戦闘深度、圧壊深度も浅いと思います。オーストラリアがドイツ製ではなく日本製の潜水艦を欲しがっているのはそういう事です。

 さすが三大海軍国!ロシア海軍も攻撃型原潜は米英と同レベル、通常動力型は若干潜航能力が劣るそうです。まあ攻撃型原潜があるので通常動力型にそこまでの能力を求めなかったのでしょう。このように現代の潜水艦は軍事技術の粋を集めて建造されます。


 ところで、話は変わりますが数年前支那海軍の攻撃型原子力潜水艦「漢」級が潜水試験中、深度230mで船体が変形し水漏れや異常音が発生したというニュースが入ってきました。230mといえば第2次大戦レベルの能力しかないということです。まさかとは思いますが、この話が真実だとすると恐るべき技術の低さです。支那のサイトでは「これはわが国最新のトランスフォーマーだ」という自虐ネタまで出てきたとか(苦笑)。

 高張力鋼は溶接技術も含めて軍事機密なのです。ガセネタの可能性もあるので断言はできませんが、230mで壊れる程度の潜水艦なら、ベトナムがロシアから購入したキロ級(戦闘深度300m以上)にすら完敗するレベルです。しかも支那の潜水艦は米海軍将兵にいわせれば水中でドラム缶を叩いているほど煩いそうです。日本の海上自衛隊士官も水中のチンドン屋と呼んでるそうですし(苦笑)。

 日米潜水艦の追跡を恐れて基地を南シナ海海南島に移した支那海軍潜水艦隊ですが、ここでも出港から帰港まで日米潜水艦の厳しい監視を受けているとか。一方、支那海軍は日米潜水艦をまったく探知できないそうです。おかげで支那海軍の潜水艦乗りはノイローゼになり、ある艦では乗組員の3分の1も辞めて動かせなくなったという噂すらあります。

 いたずらに侮る事も厳禁ですし、逆に恐れすぎる事もいけません。来るべき第3次世界大戦に向けて支那人民解放軍の実力を冷静に分析し十分な国防の備えをしなければいけませんね。