「憂慮の必要なし」は元駐日ロシア大使をつとめたロシア人日本専門家のアレクサンドル・パノフ氏の発言ですが、日本人としては素直に受け入れる事はできません。ロシア陸軍はソ連時代からだいぶスリムになり多くの師団をより機動的に動ける旅団編成へ改編しましたが、唯一北方4島を守る第18機関銃・砲兵旅団だけは残しています。戦車大隊まで編制に持ち、文字通り砲兵と機関銃という拠点防衛に特化した師団です。
これをみてもロシアは北方領土を手放す気がない事が分かります。今またロシア軍基地を刷新するというのは日本も大いに警戒する必要があるでしょう。一説ではロシアがウクライナ情勢でアメリカ側についた日本を牽制するためだとも言われますが、この前もロシア空軍の爆撃機や電子偵察機が日本領空に大量に接近した事件が起こったばかりですからその関連性が疑われます。
ただ日本としてもロシアを非難するだけでは何も進展しません。ロシアは自分の国益に忠実に動いているだけです。日本の外交力が無さすぎなだけ。日本も自国の国益を追求し、牽制や圧力を行うべき。日本もロシアに「北方領土をすべて返還したらウクライナに対するロシアの行動を全面支持する用意がある」くらいは言うべきじゃないんですか。もちろん世界に公表する必要はありませんが水面下でこれくらいの交渉力は発揮すべきでしょう。絶対返しはしないでしょうが、牽制にはなる。
日本の外交力の無さは、狂った平和憲法で戦争を放棄しまともな軍隊もないからです。背後に軍事的圧力がなければどんな要求をしても相手は無視します。日本はだから舐められるのでしょう。日本人が戦後体制の平和ボケから脱却し、明治日本のような気概を持った国に戻らない限り周辺諸国から舐められ続けるのでしょうね(嘆)。