かく言う私もひさしぶりに見終えてまだ感動の余韻が残っています。
えてしてこういう会津藩が主役のドラマでは薩長が悪役になる事が多いのですが、杉山脚本は歴史に公平に描いています。幕府に殉じた会津藩や新撰組に深い愛があるのはもちろん、薩長方の言い分も坂本龍馬を通じて語らせています。どちらが悪いというのではなく、堀内孝雄のテーマソング「愛しき日々」の一節にあるように「もう少し時が緩やかに過ぎたなら~」違った結末になったかもしれません。
ドラマの中心人物の一人、会津藩家老公用方の神保修理(国広富之)は時代が見えていただけに鳥羽伏見の後家臣を見捨てて敵前逃亡した主君松平容保(風間杜夫)を守るため、その責めを負って自害するシーンなど哀れを誘います。
残された妻雪子(池上季実子)は、夫の死に絶望し会津戦争では夫を死に追いやった主君のいる若松城に入らずに単身官軍に斬り込んで捕われます。そこを通りかかった土佐藩士(勝野洋)は、哀れに思い縄を切って逃げるよう勧めますが彼女はそれに感謝しつつも逆に短刀を乞い喉を突いて自害するのです。
このシーンなど武家の女の覚悟を思い知らされ恥ずかしながら涙で画面が見えませんでした。
歴史には光と影があります。明治維新は確かに日本という国を救いましたが一方このような影があったという事を決して忘れてはなりませんね。