流鏑馬の馬が駆けくる。勢いよく振り絞った弓から矢がはなたれ見事的に命中。富士山が大きくクローズアップされ、真っ赤な文字で「草燃える」のタイトル。印象に深いオープニングシーンです。
私鳳山が好きだったNHK大河ドラマ「草燃える」です。源頼朝の挙兵から、後鳥羽上皇の承久の変までを、北条政子、北条義時を中心とした北条一族の視点で描いた大河ドラマです。
一の谷、屋島、壇ノ浦の平家滅亡まで、義経と頼朝の不和と衣川での義経の死、奥州征伐。頼朝の死、幕府内の権力闘争、梶原景時の失脚と逃亡、討ち死に。比企一族と北条氏の対立。二代将軍頼家の幽閉、暗殺。幕府の重鎮畠山重忠、和田義盛が北条氏の罠にはまって滅亡。そして後鳥羽上皇が起こした王政復古を目指し敗れた承久の変。
決して、北条氏を正義と描いているわけではありません。むしろ醜悪でさえあります。しかし北条一族の権力にたいする執着心、権力奪取の凄さを見せ付けられ強い印象に残りました。これを見ると、軍事的才能のみで、政治力のまったくない源義経など子供にしか見えません。
原作者の永井路子さんは、女流作家でありながら権力闘争を一連の鎌倉時代作品で、見事に描いています。大河のほうは総集編がでてますので見て欲しいのですが、原作の北条政子、炎環なども機会があったら読んでみてください。鎌倉時代にかんするイメージが変わりますよ!