鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

ダービーの思い出(3) アドマイヤベガ  数奇な運命を持ったダービー馬





 競馬はブラッドスポーツだと言われます。幾多の名馬たちの血のドラマがファンの感動を生み、ただのギャンブルにとどまらないロマンを持っているのです。


 このアドマイヤベガとて例外ではありません。昔ファンの感動を生んだテンポイントにも勝るとも劣らない出生にまつわるドラマがありました。


 アドマイヤベガはその名の通りオークスを制した名牝ベガとサンデーサイレンスの初年度産駒です。しかし双子だったために悲劇が起こりました。


 双子は競走馬として大成しないと言われていたため、片方の胎児が殺されます。そして生き残ったほうこそ、このアドマイヤベガでした。


 人間の勝手な都合で殺されることに私は怒りを覚えますが、生き残ったアドマイヤベガは殺された兄弟の分も精一杯生きたと思います。


 ラジオたんぱ(現ラジオニッケイ)GⅡを制し一躍クラシック戦線に躍り出てきたアドマイヤベガはライバルにも恵まれていました。


 テイエムオペラオーナリタトップロード。この年の三強は確かに本物の三強でした。


 そして生まれる前に殺された兄弟のためにもアドマイヤベガにとってダービーは絶対に負けられないレースでした。直線、逃げにかかるオペラオーをとらえたナリタトップロードをさらに大外から強襲。悲願のダービー制覇!


 しかし、アドマイヤベガはこれで燃え尽きたのでしょう。前哨戦の京都新聞杯は制したものの一番人気に推された菊花賞では、京都新聞杯で完全に抑えたナリタトップロードに差されて6着。


 放牧中に故障が発覚して引退。その後はご存知の通りテイエムオペラオーの1強状態。天皇賞春・秋、宝塚・有馬・ジャパンカップ全勝負けなしという快挙。2着のメイショウドトウとの馬連をずっと買い続けていれば一財産築く(実際そういう人がいたらしい)とまで言われました。ちなみにこれは次の年の宝塚記念まで続きます(爆)。



 まあそれはともかく(苦笑)、アドマイヤベガはダービーを取るためだけに生まれたような鮮烈な一生でした。それだけに三強のうちでも一番印象に残っています。