ところが搭載予定だった肝心の高性能水偵「紫雲」が開発中止になり、大淀の運用計画は大きく狂います。紫雲が駄目なら零式水偵でもいいんじゃない?と考えるのは素人考えでしょうか?
戦局が悪化し、戦艦や空母が不足してくると、海軍はこの大淀に目をつけます。もともと潜水艦隊旗艦として建造されていたため通信施設が充実していたのです。大淀は紫雲の格納庫を改装して司令部設備を造り連合艦隊旗艦になりました。これはのちの指揮専用艦のはしりだったのかもしれません。
大淀が連合艦隊旗艦となったのは1944年5月4日から9月29日まで。しかしそれも燃料の不足、動ける艦艇は一隻でも多く前線に送るべきだとの考えから、司令部は慶應義塾大学日吉キャンパスの地下壕に移転、大淀は旗艦の任務を解かれます。
発注 | 1939年(マル4計画) |
起工 | 1941年2月14日 呉工廠 |
進水 | 1942年4月2日 |
就役 | 1943年2月28日 |
その後 | 1945年7月28日に戦没 |
除籍 | 1945年11月20日 |
排水量 | 基準:8,146t 公試:9,980t |
全長 | 180m |
全幅 | 16.6m |
吃水 | 6.0m |
主缶 | ロ号艦本式缶6基 |
機関 | 艦本式オールギヤードタービン:4基4軸推進(出力11万馬力) |
速力 | 35.5kt/h |
航続距離 | 8,700海里(18kt/h) |
乗員 | 730名 |
兵装 | 60口径三年式15.5cm3連装砲:2基(前方のみ) 65口径10cm連装高角砲:4基 25mm三連装機銃:6基/18基(最終時) 25mm単装機銃16基(最終時) |
航空機 | 水上偵察機6機(改装後2機) 二式一号一〇型射出機1基(改装後呉式二号五型射出機1基) |