

ところが、ロンドン条約制限一杯の重巡を日本が建造し尽くし、軽巡でありながら重巡並みの攻撃力を持つ最上型を建造しているという情報を得た米海軍は、これに対抗するため最上型と同等の15.2cm三連装砲×5基15門という強力な武装を持ったブルックリン級の建造を開始します。
ロンドン条約が失効すると、最上型は早速主砲を20.3cm連装砲×5基10門の換装し重巡として生まれ変わりましたが、ブルックリン級はこちらのほうが時間あたりの発射砲弾重量が大きいとしてあえて換装はしませんでした。
また砲撃力重視で、雷撃を軽視した米海軍らしく魚雷発射管は搭載していません。その分近代軽巡らしく防空に力を注ぎ12.7cm高角砲を8門搭載しています。偵察用の水上機も4機搭載し、なかなかの優秀艦でした。
以後の米軽巡はこの艦型をベースにして建造されます。
同級艦は7隻。なんとその中には戦後アルゼンチンに売却され1982年のフォ-クランド紛争に参加し撃沈されたもの(フェニックス)もあります。
排水量 | 基準:9,700トン 満載:12,300トン |
全長 | 185.4m |
全幅 | 18.9m |
吃水 | 6.9m(基準) 7.3m(満載) |
機関 | バブコック・アンド・ウィルコックス式重油専焼水管缶8基 +パーソンズ式ギヤードタービン4基4軸推進 |
最大 出力 | 100,000hp |
最大 速力 | 33.6ノット |
航続 距離 | 15ノット/10,000カイリ |
乗員 | 868人 |
兵装 | 15.2cm(47口径)3連装砲5基15門 |
127mm(25口径)単装高角砲8基8門 | |
ボフォース 40mm機関砲4連装4基16門 | |
エリコン 20mm機銃24門 | |
12.7mm単装機銃8基8門 | |
搭載機 | 水上機4機、カタパルト2基 |
装甲 | 舷側:83~127mm 甲板:51mm 主砲塔:165mm(前盾)、38~76(側盾)51mm(天蓋) 司令塔:125~150mm |