そのため、空挺部隊の火力支援として軽量で航空輸送が可能で空中投下にも耐えられる空挺戦車の開発は戦後各国で進められました。
このM551シェリダンなどは成功した部類でしょう。重量を15t前後に抑えるため車体にはアルミ合金が採用されました。エンジンにさえアルミ合金が使われ、トランスミッションも軽量化のためマグネシウム合金が用いられています。
攻撃力は、152mm砲を採用し強力です。これはシレイラ対戦車ミサイルも発射できる優れ物で、車体の速力も時速70km近い能力を持っています。
防御力が脆弱なため本格的な対戦車戦闘になると分が悪かったと思いますが、空挺部隊の火力支援用としては十分すぎる能力を持っています。
1966年から1970年まで1662両が生産されました。
しかし今日では空挺戦車の開発は行われていません。なぜかというと対戦車ヘリの発達と、輸送機自体の能力が向上したためです。
米軍でいうとC5ギャラクシーは60tのM1A2エイブラムズ戦車を2両運ぶ事が出来ます。主力のC17グローブマスター輸送機でさえM1A2は1両、M2ブラッドレー歩兵戦闘車かストライカー装甲車なら3両運べる能力があるため必要性がなくなったからです。
とはいってもM551がお払い箱になったかというとそうでもなく1989年のパナマ侵攻、1990年の湾岸戦争でも緊急展開部隊の第一陣として出動し活躍しています。
ソ連/ロシアでいうならPT-76あたりが空挺戦車になるのかなあ?あれは水陸両用戦車か?(苦笑)重量はほぼ同じくらいなんで、空中投下に耐えられるなら空挺戦車って言い張っても通用するだろうけど(爆)。