鳳山雑記帳はてなブログ

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巡洋戦艦『ザイドリッツ』       ドイツ帝国

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 皆さんは巡洋戦艦という言葉を聞いたことはありますか?

 巡洋戦艦とは『(じゅんようせんかん、英:Battlecruiser, 独:Schlachtkreuzer)は、装甲巡洋艦から発展した艦種。第二次大戦までは戦艦とともに主力艦と呼ばれた。最初にこの種の艦を建造した英国海軍の定義では、戦艦と同等の攻撃力を持ち戦艦よりも高速力であるが、防御力は装甲巡洋艦(Armored cruiser)並みと弱かった。日本語訳は「巡洋戦艦」であるが、英国海軍の名称を直訳すると「戦闘巡洋艦」となり、攻撃力の大きな巡洋艦としての本艦種の特徴を示している。』 ウィキペディアより

というもので、戦艦と同等の火力を持ち速度も優速(大体第1次大戦当時の戦艦が21ノットくらいに対して24~28ノット)でありながら、防御力は装甲巡洋艦並みという艦種です。


 夢のような性能ながら実戦では役立たずでした。なぜかというと防御力が弱すぎるために海戦になると1発の被弾で轟沈した船(英巡洋戦艦フッドなど)もあるくらいです。

 日本の金剛クラスも高速戦艦だともてはやされていますが、改修されたといってももともとが巡洋戦艦であるため本格的海戦では不利でした。

 そんな中、恐るべき防御力を発揮した巡洋戦艦を建造した国があります。ドイツです!

 1915年のドッカーバンク海戦で後部砲塔に被弾するも沈没せず、1916年のジェトランド(ドイツ名ユトラント)海戦ではなんと21発の戦艦主砲弾と1発の魚雷を受けながら大破しつつも沈まなかったという強靭さを示しました。

 これだとへたな戦艦よりも防御力があります。巡洋戦艦というより別の船です(笑)ドイツの設計思想は他国と変わっていて主砲の威力は敵より1ランク下(列強が最低でも13インチクラスの主砲に対し11.2インチ[28.4cm])なのに対し防御力は1ランク上(他国は自艦の主砲クラスの防御力が普通)という不思議なものでした。

 攻撃は最大の防御というのに、なぜ?しかもザイドリッツは主砲の配置も変わってるでしょ?これは側面に回りこんだ敵艦に素早く反応するためだそうですが、普通に背負い式にしたほうが主砲が少なくて済むのに…。装甲も節約できそうなんですけどね(笑)。

 ドイツ海軍はフォン・デア・タン級以来この変わった主砲配置を続けますが、次のデアフリンガー級では普通の背負い式にもどしてます(笑)。やっぱり不便だったか?

 不便にもかかわらず、なかなか設計を改めないのもドイツらしいですね。