鳳山雑記帳はてなブログ

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『シャルンホルスト級巡洋戦艦』(独)

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 1939年竣工のナチスドイツ初の巡洋戦艦。同級艦はグナイゼナウヒトラー再軍備宣言以来、本格的戦艦の保有を熱望してきたドイツがついに実現した戦艦。

 ところで分類上は巡洋戦艦ですが、ドイツには実は巡洋戦艦という分類はなくシャルンホルスト級は戦艦に分類していました。そのため舷側装甲350mmという戦艦並みの装甲を誇り、しかもニッケル・クロム・モリブデン複合装甲のボータン鋼なので防御力はかなりのものでした。

 反面、攻撃力は貧弱で11.2インチ(28.3cm)三連装主砲×3基で前級(帝政ドイツの)ヨルク代艦級の15インチ(38.1cm)連装主砲×4基から大きく後退しています。

 一応計画上は15インチ砲搭載を想定していながら、生産が間に合わないために11.2インチになったそうです。のちに換装する予定でしたが、結局実現しませんでした。

 フランスのダンケルク級(33cm4連装×2基)との交戦を想定していたためこれで充分とされたこともあって15インチ換装はやらなかったのでしょう。余裕もなかったでしょうし。

 もし実現したら15インチ連装×3基となる予定で、その図面も残っています。ここで気付くのはZ計画の「O級戦艦」に酷似していることです。ビスマルク級の拡大型がH級なら、シャルンホルスト級の拡大発展型がO級だったのでしょう。

 第2次大戦が勃発しなかったらZ計画艦隊が出現していたかもしれませんね。最もヒトラー自身が戦争を欲していましたから実現不可能だったでしょうが…。


 通商破壊が主任務だったため33ノットという重巡洋艦並みの高速を誇りました。戦績はパッとせずノルウェー沖海戦でも被弾して後退してますし、ケルベロス作戦の夜陰を衝いてのドーバー海峡突破が唯一の栄光でした。

 これはロイヤルネイビーの不手際が大きな原因ですが、ドイツ海軍としては誇っても良い数少ない勝利だと思います。

 



【性能諸元】


排水量 基準 31,500トン
常備 35,550トン
満載 38,900トン
全長 235.4 m (772 ft)
226 m (741.5 ft)(水線長)
全幅 30 m (98.4 ft)
吃水 9.69 m (31 ft 9 in.)
機関 ワグナー式重油専焼高圧缶12基
ブラウン・ボベリー式オールギヤードタービン(グナイゼナウゲルマニア式オールギヤードタービン)
3基3軸推進
機関出力 160000hp
(安定時出力:125000hp) 
最大速力 33ノット
航続距離 8,400海里 (19ノット時)
10,000海里 (17ノット時)
乗員 士官56名、兵員1,613名
兵装 28.3cm(54.5口径)3連装砲3基9門
15cm(55口径)連装砲4基8門+同単装砲4基計12門
10.5cm(65口径)連装高角砲7基14門
37mm(83口径)連装高射機関砲8基16門
20mm(65口径)連装高射機銃5基10門
(グナイゼナウのみ:533mm水上魚雷発射管4連装2基8門)
装甲 舷側:350mm(VP部、水線部より上部)
170mm(水線部より下部)
45mm(第1~第2甲板舷側)
甲板:95mm(主甲板)
95mm(第2甲板)
50mm(第1甲板)
105mm(水線下傾斜部)
主砲塔:360mm(前盾)
200mm(側盾)
180mm(後盾)
180mm(天蓋)
副砲塔:250mm(前盾)
50mm(側盾)
50mm(後盾)
50mm(天蓋)
バーベット部:280mm
司令塔:300mm(側盾)
200mm(天蓋)
350mm(覗き窓枠)
220mm(扉)
艦載機 アラド Ar 196a水上機 3機
カタパルト2基