鳳山雑記帳はてなブログ

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アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 (ドイツ)

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 ベルサイユ条約による軍備制限で6000t以下の巡洋艦しか建造できなかったドイツが、1935年再軍備宣言後初めて建造した本格的重巡洋艦
 
 ドイッチラント級装甲艦で採用されたディーゼル機関が航続力こそ大きいものの信頼性と巡航速力に劣るため、超高圧タービン機関を採用し速力の増大を図りました。ただ超高圧タービンは技術が難しく故障することがままあり、航続力も短くなったため通商破壊戦には不向きとされました。それが本級があまり活躍できなかった理由の一つでしょう。
 
 ただ本級の肝はその武装にあります。8インチ(20.3cm)連装×4基8門は普通の条約型重巡に見えますが、他国の重巡の備砲より砲身の長い60口径砲(通常は50~55口径)を搭載していました。
 
 砲弾の発射重量も重く(122kg)、33500mの長射程を誇りました。これは戦艦並みの射程距離です。
 
 またシルエットを見てもらうと分かりますが、ビスマルク級戦艦と酷似しています。わざとそういう設計にしたのかどうかは不明ですが、遠距離からみると間違いやすかったそうですから相手にとっては嫌なものでした。
 
 アドミラル・ヒッパー級といえば、シャルンホルスト級巡洋戦艦2隻(シャルンホルストグナイゼナウ)とプリンツ・オイゲン(Aヒッパー級三番艦)の三隻でドーバー海峡を強行突破した「ケルベロス作戦」が有名ですよね♪
 
 同級艦は5隻が計画されましたが、完成したのはアドミラル・ヒッパー、ブリュッヒャープリンツ・オイゲンの三隻のみ。ザイドリッツとリュッツオ-は進水はしたものの戦局悪化により工事中断、完成に至りませんでした。
 
 ウィキなどでは攻撃力に比べ防御力に不安が残ると書かれていますが、おそらくこれもボータン装甲を採用したはずで意外と強靭だったのではないかと私は見ています。
 
 
【性能諸元】
排水量公称排水量:10,000トン
基準排水量:14,050トン、
プリンツ・オイゲン:14,680トン
ザイドリッツ&リュッツォウ:14,240トン
満載排水量:18,200トン、
プリンツ・オイゲン:18,750トン
ザイドリッツ&リュッツォウ:19,800トン
全長202.8m、
(ブリュッヒャー:203.2m、
プリンツ・オイゲン:207.7m
ザイドリッツ&リュッツォウ:210.0m
水線長195.5m
(ブリュッヒャー:195.0m、
プリンツ・オイゲン:199.5m)
全幅21.3m
(ブリュッヒャー:22.0m、
プリンツ・オイゲン:21.7m
ザイドリッツ&リュッツォウ:21.8m
吃水5.8m(基準)、7.7m(満載)
(ブリュッヒャー:5.7m(基準)、7.2m(満載)、
プリンツ・オイゲン:5.9m(基準)、7.2m(満載)
ザイドリッツ&リュッツォウ:7.9m(満載))
機関ラ・モント式重油専焼高温高圧缶12基
(ブリュッヒャー&ザイドリッツ&リュッツォウはワグナー式重油専焼高温高圧缶12基)
+ブローム・ウント・フォス式ギヤード・タービン3基3軸(プリンツ・オイゲン:海軍式ギヤード・タービン
ザイドリッツ&リュッツォウ:デシマーク式ギヤード・タービン)
最大出力132,000hp
(ブリュッヒャー:131,821hpノット、
プリンツ・オイゲン:137,500hp、
ザイドリッツ&リュッツォウ:132,000hp(計画値))
速力32.6ノット
(ブリュッヒャー:32.8ノット、
プリンツ・オイゲン:32.2ノット、
ザイドリッツ&リュッツォウ:32.0ノット)
航続距離20ノット/6,800海里
乗員1,382~1,600名
兵装SKC/34 20.3cm(60口径)砲連装4基8門
SKC/33 10.5cm(65口径)高角砲連装6基12門
37mm(83口径)機関砲連装6基12門
20mm(65口径)機関砲連装4基8門
533mm水上魚雷発射管3連装4基12門
装甲舷側:80mm(水線面最大厚)
甲板:50mm(主甲板)、30mm(上甲板)
主砲防盾:105mm
司令塔:150mm
航空兵装Ar 1963機、カタパルト1基