

ドイッチラント級装甲艦で採用されたディーゼル機関が航続力こそ大きいものの信頼性と巡航速力に劣るため、超高圧タービン機関を採用し速力の増大を図りました。ただ超高圧タービンは技術が難しく故障することがままあり、航続力も短くなったため通商破壊戦には不向きとされました。それが本級があまり活躍できなかった理由の一つでしょう。
砲弾の発射重量も重く(122kg)、33500mの長射程を誇りました。これは戦艦並みの射程距離です。
またシルエットを見てもらうと分かりますが、ビスマルク級戦艦と酷似しています。わざとそういう設計にしたのかどうかは不明ですが、遠距離からみると間違いやすかったそうですから相手にとっては嫌なものでした。
アドミラル・ヒッパー級といえば、シャルンホルスト級巡洋戦艦2隻(シャルンホルスト・グナイゼナウ)とプリンツ・オイゲン(Aヒッパー級三番艦)の三隻でドーバー海峡を強行突破した「ケルベロス作戦」が有名ですよね♪
同級艦は5隻が計画されましたが、完成したのはアドミラル・ヒッパー、ブリュッヒャー、プリンツ・オイゲンの三隻のみ。ザイドリッツとリュッツオ-は進水はしたものの戦局悪化により工事中断、完成に至りませんでした。
ウィキなどでは攻撃力に比べ防御力に不安が残ると書かれていますが、おそらくこれもボータン装甲を採用したはずで意外と強靭だったのではないかと私は見ています。
【性能諸元】
排水量 | 公称排水量:10,000トン | |
基準排水量:14,050トン、 プリンツ・オイゲン:14,680トン ザイドリッツ&リュッツォウ:14,240トン | ||
満載排水量:18,200トン、 プリンツ・オイゲン:18,750トン ザイドリッツ&リュッツォウ:19,800トン | ||
全長 | 202.8m、 (ブリュッヒャー:203.2m、 プリンツ・オイゲン:207.7m ザイドリッツ&リュッツォウ:210.0m | |
水線長 | 195.5m (ブリュッヒャー:195.0m、 プリンツ・オイゲン:199.5m) | |
全幅 | 21.3m (ブリュッヒャー:22.0m、 プリンツ・オイゲン:21.7m ザイドリッツ&リュッツォウ:21.8m | |
吃水 | 5.8m(基準)、7.7m(満載) (ブリュッヒャー:5.7m(基準)、7.2m(満載)、 プリンツ・オイゲン:5.9m(基準)、7.2m(満載) ザイドリッツ&リュッツォウ:7.9m(満載)) | |
機関 | ラ・モント式重油専焼高温高圧缶12基 (ブリュッヒャー&ザイドリッツ&リュッツォウはワグナー式重油専焼高温高圧缶12基) +ブローム・ウント・フォス式ギヤード・タービン3基3軸(プリンツ・オイゲン:海軍式ギヤード・タービン ザイドリッツ&リュッツォウ:デシマーク式ギヤード・タービン) | |
最大出力 | 132,000hp (ブリュッヒャー:131,821hpノット、 プリンツ・オイゲン:137,500hp、 ザイドリッツ&リュッツォウ:132,000hp(計画値)) | |
速力 | 32.6ノット (ブリュッヒャー:32.8ノット、 プリンツ・オイゲン:32.2ノット、 ザイドリッツ&リュッツォウ:32.0ノット) | |
航続距離 | 20ノット/6,800海里 | |
乗員 | 1,382~1,600名 | |
兵装 | SKC/34 20.3cm(60口径)砲 | 連装4基8門 |
SKC/33 10.5cm(65口径)高角砲 | 連装6基12門 | |
37mm(83口径)機関砲 | 連装6基12門 | |
20mm(65口径)機関砲 | 連装4基8門 | |
533mm水上魚雷発射管 | 3連装4基12門 | |
装甲 | 舷側:80mm(水線面最大厚) 甲板:50mm(主甲板)、30mm(上甲板) 主砲防盾:105mm 司令塔:150mm | |
航空兵装 | Ar 1963機、カタパルト1基 |