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ウクライナの反転攻勢、緒戦の情報で一喜一憂しない事

ウクライナ反攻作戦、最初の拠点を制圧、兵力7%損失…早くも勝利確定か!


 ついに始まったウクライナ軍の反転攻勢。欧米の軍事専門家の予想通りザポリージャ州南部への攻撃が主攻勢軸でドンバス地方での戦闘は支作戦だと見られています。本来ならヘルソン州方面も助攻軸となるはずでしたが、ロシア軍がノヴァ・カホフカダムを爆破したためこちらは現在のところ止まっています。

 ロシア軍の鬼畜なところは、前線にいた自軍の兵士にすら爆破を知らせず溺死させたこと。未確認情報では一個連隊が消えたとも?その上、強引に併合したくせに住民を救助しないばかりか住民を救助していたウクライナ軍にまで攻撃を仕掛けました。これは核攻撃に匹敵するような重大な国際法違反ですよ。こんな国はさっさと滅べと言いたいですね。

 それはともかく、ウクライナ軍が緒戦で苦戦しているというニュースが主にロシア側から流れてきています。日本のネット上でもロシアンフレンズや反日左翼どもが狂喜していますが、まだ戦いは始まったばかり。今は戦場の霧と呼ばれる情報が錯綜する状況でどちらが有利かは終わってみなければ分かりません。

 ロシア軍はザポリージャ州をウクライナ軍が縦断しアゾフ海に達すれば敗北確定になるため必死に守っています。何か月も防戦準備をしていたためウクライナ軍が苦戦するのは当然です。ウクライナ軍の攻勢軸で主なものは二つ、一つはトクマクからメリトポリへ向かうルート、もう一つはザポリージャ州、ドネツク州の州境からベルジャンシクあるいはマリウポリへ向かうルートです。

 メリトポリへ向かう西側のルートは、ロシア軍の主要な防衛線が三本、その他メルトポリをぐるっと囲む要塞線があります。防衛ラインの間隔が広く、元陸上自衛隊中部方面総監・陸将の山下裕貴氏によると、防衛ラインの間に予備の機甲部隊を置き、突破してきたウクライナ軍を横撃で逆襲することを意図しているそうです。

 ベルジャンシクに向かう東側ルートも同じくロシア軍の防衛ラインは三本ですが、こちらはライン間の間隔が狭く前のラインを突破してきたウクライナ軍を後方のラインから砲撃して撃退する陣形だと言われます。イメージ的には過去記事で書いた反斜面陣地の拡大版のような感じ。ですからウクライナ軍に被害が出るのは当然。ウクライナ側もロシア軍の防衛ラインが硬いのは承知の上で攻撃しているそうです。

 ロシア軍としてはすべての防衛ラインを守り切らなければ負けるので必死ですが、ウクライナ軍はどこか一か所でも突破出来たらそこに予備部隊を集中投入して戦果を拡大するだけですから、精神的な余裕はウクライナ側にあると見られています。勝敗のカギは、ウクライナ軍がどこか一か所でも防衛ラインを突破できるか、ロシア軍がすべての防衛ラインを守り切れるかにかかっています。

 大体一週間から一ヶ月くらいで全貌は見えてくると思います。ですから途中経過で一喜一憂しないことが大切です。私の個人的な感想では、西側の最新装備で固められたウクライナ軍が夜間戦闘で有利なので最終的には勝つと見ています。ただその戦果がトクマクまでか、メリトポリ解放まで行けるかは未知数ですが。

 もし最良の結果となりアゾフ海まで達することが出来れば、ロシア軍を東側と西側に分断することが出来ウクライナの勝利確定です。クリミア大橋も射程圏内に入りクリミアのロシア軍は孤立します。しかしロシア軍も必死なのでどうなるかは本当に分かりません。

 我々としては戦闘の推移を冷静に見守る必要があります。すでにネット上ではウクライナ軍がロシア軍の防衛ラインを突破し快進撃しているなどの情報が氾濫していますが、贔屓の引き倒しになったら無意味です。ウクライナ軍なりNATOなりの公式発表があるまでは、話半分くらいで聞く必要があるでしょう。

 皆さんはついに始まったウクライナ軍の反転攻勢、どのように見ていますか?