鳳山雑記帳はてなブログ

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ウクライナ軍の反転攻勢はどこから始まるか?

 これも『ウクライナ軍の大反攻作戦開始日は5月9日か?』と同様、与太話、ネタの類として聞いてください。前の記事で、ウクライナ軍の反転攻勢がロシアの対独戦勝記念日である5月9日に始まれば、これ以上の皮肉はないと書きました。対独戦勝記念日なのに、ウクライナ軍の先頭にはドイツ製のレオパルド2戦車がいて、ロシア戦車を次々となぎ倒す。プーチンが発狂しかねません。

 では、どこが大反攻作戦のルートになるか勝手に考察してみました。欧米の報道では大きく4つのルートが想定されています。

ハルキウ州からルハンシク州を突進しロシア国境に迫る北東ルート。

②今激戦中のバフムートに総兵力を集めそのまま東進する東ルート。

③欧米の軍事専門家の多くが指摘するザポリージャ州を南進しアゾフ海に達する中央ルート。

ヘルソン州でドニエプル河を渡河しクリミア半島の付け根に達する南西ルート。

 この中で、①はロシア軍が手薄なため比較的容易だと言われますがロシア国境に達すると逆にウクライナ軍がロシア軍に包囲される形になり袋叩きになりかねないので、作戦は容易だがその後の守備が難しいと言われます。②は論外。戦略的要地でもなんでもないバフムートにこだわって莫大な犠牲を払ったロシア軍の二の舞です。一応バフムート攻防戦でロシア軍は10万人の損害を出し弱体化していると言われますが、ドンバス地方を直接叩く作戦はロシア本土に近くロシア軍の補給が容易なため軍事的には愚策です。

 とすれば③と④です。この二案も一長一短がり、③案はザポリージャ州を南下しアゾブ海に達することが出来ればクリミア半島とドンバス地方にロシア軍を分断でき、クリミア大橋もミサイルの射程圏内に収めることが出来ます。ただ、ロシア側もそれを一番警戒しているため、何重にも塹壕、陣地帯を設けて4つの案では一番抵抗が激しいと思われます。

 ④案は、ロシア軍の兵力はルハンシク州北部と同様手薄でドニエプル河を渡河さえできれば一番容易に進撃できます。ただその渡河自体が困難で機甲部隊を運用するためには補給線として大きな二つの橋を維持しなければなりません。ここはロシア軍の格好の的となります。現在ウクライナ軍がロシア軍の補給拠点を叩いていますが、逆にそれをやり返されかねません。ですからこの方面にロシア軍が手薄な守備兵力しか置いていないのは当然だと思います。

 私としては③案が一番妥当な気もしますが、ザポリージャ州南部の要衝メリトポリに直接進むのではなく、ロシア軍防衛ラインの切れ目があるザポリージャ州、ドネツク州の州境あたりからベルジャンシクに向かうのを主攻にし、メリトポリ方面は助攻、包囲にとどめるほうが良いように思います。この作戦の一番の肝はメリトポリ攻略ではなく、アゾフ海に達しロシア軍を東西に分断する事ですから。

 ④案は最近になって出てきた情報ですし、すでにウクライナ軍の一部がドニエプル河東岸に進出し橋頭保を築いているという報道もあります。しかしあくまで歩兵部隊、おそらくは特殊部隊で威力偵察くらいではないかと見ています。今回の反転攻勢のカギは機甲部隊をどの戦場にぶつけるかなので、渡河に成功しても補給が脆弱になりそこをロシア軍に叩かれれば作戦そのものが大失敗しかねません。ヘルソン州南部のロシア軍が手薄だといっても、リスクはかなりあると思うんですよ。

 私は③案のザポリージャ州南下が本命、あくまで補給問題を解決した場合ですが④案のドニエプル渡河を対抗とします。皆さんはどう思われますか?