鳳山雑記帳はてなブログ

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ウクライナ戦争の状況 2023年3月末現在

ロシア、ウクライナ情勢悪化で兵士40万人増員を要請 


 日本では関心を持っている方はあまり多くないと思いますが、日本の国防を真剣に考えている我々はウクライナ戦争の推移を常に注目しています。3月初旬からウクライナ東部ドネツク州のバフムート攻防戦が激化していました。バフムートは戦略的要衝でもなんでもなくウクライナ軍にとってここを取られても背後の西方に重厚な防御陣地を縦深的に設けているため、バフムート中心部を放棄してもここに籠って抵抗すれば良いだけでした。一方ロシア軍にとっては劣勢の戦況で国内向けに成果を宣伝したいがためのバフムート固執プーチンの政治的意図だけで攻撃していたと言われます。

 ロシア軍は民間軍事会社ワグネルの部隊を中心に、ゾンビアタックと呼ばれる損害を度外視した猛攻を仕掛け、一時はバフムート北側、東側、南側の三方を包囲し、現地のウクライナ軍は西側のわずか4㎞あまりの回廊しか補給線を維持できず陥落は時間の問題と言われていました。

 ところがバフムートは未だに落ちていません。ロシア軍の損害は甚大で特にワグネルはバフムートの戦場で数万人の死傷者を出したとも言われます。これを見ると元陸上自衛隊東部方面総監・渡部悦和(よしかず)陸将の見立てが正しかったのかもしれません。渡部さんは「ウクライナ軍はワグネルの攻撃鈍化をうけバフムート防衛に自信を持ったのでは?危険な賭けだがバフムートでロシア軍を撃退し来るべき大反攻作戦まで維持できればウクライナ軍は勝利に近づく」と3月はじめの攻防戦激化初期から指摘していました。

 渡部さんは、西側軍事関係機関の発表と断片的に伝えられるウクライナ軍幹部、政府関係者の発言からロシア軍内で正規軍とワグネルに深刻な対立があることを予想しておられました。正規軍はワグネルに手柄を取られることを嫌い満足な補給を与えず非協力的な態度を取っていると見ていたのです。となるとバフムート北側に対するワグネルの攻勢は早晩頓挫すると判断し、ウクライナ軍はバフムートを維持できるという見立てでした。やはりプロの軍人は違うと感心した次第です。

 渡部さんは、軍事的意味はないがバフムートにロシア軍主力を引きつけ損害を強要することで来るべき大反攻作戦でのロシア軍の抵抗力を削ぐのがウクライナ軍の目的だったのでは?と予想されています。現在の戦況を見るとそれが正しいように思えます。

 ロシア軍は戦況の不利を打開するために30万人の動員を行いました。日本の自称軍事専門家の中ではロシア軍がまだまだ予備部隊を温存しているという意見が多かったのですが、渡部氏は各地の戦場に動員兵を逐次投入しゾンビアタックで磨り潰したため予備部隊もほとんど残っていないだろうと仰っています。

 それが今回の40万人追加動員だと思います。そうじゃなかったら追加動員など無意味ですからね。そして韓国並みのGDPしかないロシアは、いくら人件費がタダ同然で資源大国とはいってもそれだけの膨大な軍の維持は経済的にもたないだろうとも言われています。ロシア軍で一番活躍していたワグネルもバフムート攻防戦の損害で部隊として維持できるかどうかの瀬戸際だと言われますし、囚人のスカウトもロシア正規軍に妨害されてできなくなっているそうです。

 まだはっきりしていませんが、ウクライナ軍は反転攻勢を近い時期に始めるだろうとも言われます。早ければ4月中、遅くても5月。すでに戦線各地でウクライナ軍の威力偵察が活発化しているそうですし、私はザポリージャ州における海への進軍、つまりアゾフ海沿岸に向けた攻勢軸が具体化すると思っています。

 今後のウクライナ軍の動き、要注目ですよ。日本の国防に関心のある皆さん、地上波では分からないウクライナ戦争の実態を知るためにもインターネットがあって良かったですね。それにしても何度も言いますが、渡部さんや元中部方面総監・山下裕貴(ひろたか)陸将などプロの軍人が解説するインターネット番組は信頼できます。地上波は特亜の工作員とロシアンフレンズが幅を利かせているため全く信用できません。

 皆さんはウクライナ戦争の推移、どのようになると予想されていますか?