鳳山雑記帳はてなブログ

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反タリバン派が生き残る道は?

アフガン第1副大統領が「暫定大統領」宣言 闘争準備か

 国防に関心の無い方は全く興味ないと思いますが、私は間接的に日本にもつながる話だと考えているのでアフガン情勢を追っていきたいと思います。アフガニスタンの首都カブールを制圧しほぼ全土を掌握した武装組織タリバン。国際社会の再びアフガンはテロの温床になるのではないか?という深刻な懸念に対し「イスラム法の許す範囲で女性の人権は尊重する」「旧政府関係者や協力者の弾圧はしない」などの綺麗事を並べました。

 ところが市民のデモに発砲し死者を出したり各家庭をタリバン兵が回って旧政府協力者を逮捕したり12歳以上の女性を誘拐して性奴隷にしたりと、言っていることとやっていることが全く逆。所詮テロリストですからタリバンの綺麗事を信用する方がおかしいんです。情けないのはガニ大統領で、一番国家に殉じなければならない立場の大統領が真っ先に敵前逃亡するという醜態を晒しました。朝鮮戦争時の韓国軍や韓国政府首脳並みに卑劣です。腐敗も進み給料もろくに払われていなかった政府軍は士気が崩壊し戦わずして降伏する始末。これじゃ国家の体をなしていません。

 アフガン政府軍が全面崩壊する中唯一抵抗しているのがアフガンの北東部、ヒンズークシ山脈の北麓にあるパンジシール州。ここにはかつてソ連のアフガン侵攻時侵略軍を跳ね返しパンジシールの獅子と称されたマスード将軍の故地。マスード派は2001年将軍が暗殺された後息子が跡を継いだそうですが、ここにアフガニスタン旧政府の副大統領、国防大臣、政府軍残党が合流しタリバンに対し絶望的な抵抗を続けているとか。

 アフガニスタンの主流民族はイラン系パシュトゥーン人タリバンもここに拠っています。総人口の42%です。一方マスード派は同じくイラン系ながらパシュトゥーン人と対立するタジク人主体だそうです。タジク人はアフガン第二の民族で総人口の27%を占めます。ここにタリバンと相いれないウズベク人のドスタム将軍派1万人が合流したとか。マスード派もだいたい1万人くらいだと推定されますから、アフガン全土を掌握したタリバンに制圧されるのは時間の問題だと言われます。

 さらに反タリバン勢力にとって深刻なのは、タリバンがシナ共産党政府と結託する動きを見せたためどこからも援助を受けにくいという事です。ロシアはソ連のアフガン侵攻時からの仇敵。米軍侵攻時は北部同盟としてアメリカを中心とする欧米諸国から援助を受けていましたが、バイデン政権が完全に手を引いたため他の西欧諸国も援助を打ち切ったでしょう。ゲリラ戦を展開したら実績があるのである程度は抵抗できるでしょうが、四面楚歌で補給を断たれた状態だとジリ貧に陥ります。

 アフガ二スタン国民には気の毒ですが、アフガンが再びテロの温床にならないためには内戦が長引いてくれる方が望ましい。もちろんタリバン政権が崩壊し例え傀儡ではあっても民主主義政権が誕生してくれればベストですが、これは実現可能性がほぼゼロです。ロシアが国内のイスラム勢力の蜂起を防ぐために反タリバン派に秘かに援助してくれれば良いのですが、プーチンにそこまでの決断力があるかどうか?これまでの経緯からも難しいでしょう。シナはウイグルタリバンが介入しないための保険として援助するでしょうから無理。同じ民族だからタジキスタンとかウズベキスタンは援助してくれないですかね?タリバン政権が安定するとテロの輸出を始めるから自分たちも危なくなるはずですよ。

 タジキスタンウズベキスタンが直接反タリバン勢力を援助し、資金的バックアップをサウジなどの産油国がやってくれれば良いのですが、そこまで理想的に進むとは思えません。ただタリバンの言う綺麗事は嘘だとはっきりしましたから、このまま放置すればまた9.11の二の舞ですよ。タリバン幹部も言及していますがアルカイダとの友好関係は続いているそうですから。

 アフガン情勢、まだまだ目を離せません。私は深刻な懸念を持って注視しています。