鳳山雑記帳はてなブログ

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ドイツ軍は何故ここまで凋落したか?

 かつて第1次世界大戦でも第2次世界大戦でも一方の主役として精強を誇ったドイツ軍。一般の方も戦車王国ドイツ軍というイメージを持たれる方が多いでしょう。ところが近年ドイツ軍の戦闘力は目に見えて落ちています。

 

 空軍の主力、ユーロファイター タイフーン戦闘機は108機のうちまともに動けるのは10機も無いと言われています。稼働率90%を誇る日本の航空自衛隊から見ると信じられない数字です。予算不足からくるスペアパーツ不足から、韓国軍伝統芸の共食い整備までやっているという話も。NATO軍の任務である対露報復核攻撃を担う戦闘爆撃機トーネードIDSは老朽化で維持整備費に莫大な費用が掛かるという本末転倒な状態。

 

 さすがのドイツ空軍幹部も現状の悲惨さを憂い、トーネードIDSの後継にF-35A導入を検討しますが、メルケル政権の謎の妨害で頓挫、それに代わってF/A‐18E/Fスーパーホーネットが導入されそうですが本決まりではありません。スパホならトーネードIDSを補って余りある性能ですが、どうもメルケル政権は国防を真剣に考えているようには見えません。

 

 海軍も、主力の212型潜水艦が一時全艦行動不能という緊急事態になりましたし、最新鋭フリゲートとして鳴り物入りで登場したバーデン・ヴュルテンベルク級がしょうもない不具合続発でドイツ海軍は納入拒否しているという話もあります。もともと満載排水量7316tという巨体でありながら個艦防空が近接防空のRAMしかないのを見て大丈夫か?と心配していたんですが、大丈夫じゃなかったみたいです(苦笑)。前級のザクセン級のように艦隊防空のスタンダードSAM(艦対空ミサイル)とは言わないまでも、どうして個艦防空のESSM(発展型シースパロー)を搭載しなかったんでしょうか?船のサイズ的にそれほど負担になることはないと思うんですが…。国連主導の海外派遣に使うためとか世迷言をほざいてますが、そんなのは1万トン級の巡視船でも建造してやりやがれ!艦船の主任務は国防だぞ(怒)。

 

 陸軍もなかなか悲惨です。予算削減のあおりを受け主力のレオパルドⅡA6、A7も200両余りしかなく稼働率に至っては3分の1もないとの噂も。NATO即応部隊に指定されている第9装甲教導旅団ですら44両定数のレオパルドⅡのうち実際に配備されているのは9両、14両定数のマルダー歩兵戦闘車に至ってはわずか3両と、ドイツはNATOに協力する気が無いのかと呆れます。

 

 

 かつて栄光を誇ったドイツ軍がここまで凋落したのは、一つはNATOの拡大でドイツが最前線で無くなったことからくる危機意識の欠如があると思います。実際、最前線となったポーランド軍F-16などアメリカ製兵器を導入し今ではガチでドイツと戦争すれば圧勝すると言われるほど。メルケル政権の経済至上主義、軍事に対する理解の欠如、加えて日本と同じく国民の平和ボケが大きいと思います。

 

 そして目立たない事ですが、ドイツ軍組織そのものの効率の悪さもあると私は見ています。というのも予算だけなら国防費5兆円前後と日本とそう変わらないからです。空軍と海軍が日本より規模が小さい分、本来なら陸軍は日本の陸上自衛隊以上に充実していないとおかしい。スペアパーツが不足しているなど近代軍隊ではありえませんよ。韓国軍じゃないんだから(呆)。

 

 人件費が馬鹿高いのか、不必要な部門に貴重な予算を取られているのか?ともかくドイツ軍好きの私としては何とかして欲しいの一言。これじゃマンシュタインもモーデルもグデーリアンも草葉の陰で泣いていますよ。