鳳山雑記帳はてなブログ

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Su-27対MiG-29

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 ソ連・ロシアの誇る第4世代戦闘機の両雄Su-27フランカーとMiG-29ファルクラム。現在では第5世第戦闘機としてF-22F-35が登場したので色褪せましたが、それまでは西側のF-14F-15F-16、F/A‐18E/Fやユーロファイター タイフーンやラファール(最後の3つは第4.5世代)と堂々と伍する東側の雄でした。ロシアも一応第5世代と称するステルス戦闘機Su-57が登場しましたが、こちらは情報が少なくよく分かりません。

 ところでSu-27とMiG-29のどちらが強いのか、考えたことがある人も多かったと思います。普通は同じロシアの戦闘機ですから戦闘をすることはないんですが、その数少ない例としてアフリカのエチオピア・エリトリア国境紛争で両者の直接戦闘が起こりました。とはいえSu-27は長大な距離を飛行し敵地に侵攻して戦闘する制空戦闘機、一方MiG-29は前線で簡単な整備で運用でき、機動力を生かした防御戦闘を主任務とする要撃戦闘機ですから性格が全然違うことは間違いありません。

 1999年2月25日、エリトリア空軍のMiG-29 4機が国境付近上空を哨戒飛行していました。そこへエチオピア空軍のSu-27 2機が接近。エチオピア空軍のSu-27は配備間もなく、一説ではロシア人パイロットが操縦していたとも言われます。実はエチオピアエリトリアの紛争でロシアはエチオピア側に肩入れしていたのです。エリトリア側がウクライナと仲が良いため一種の代理戦争になった形です。MiG-29のパイロットの一人もウクライナ人だったそうです。

 最初に発砲したのはエリトリア空軍のMiG-29。R-27(アメリカのスパローに近いセミアクティブレーダーホーミングの中距離ミサイル)を数発発射。ところがこれは全弾外れます。攻撃を受けたことを察知したエチオピア空軍のSu-27は引き返してR-27を発射しました。するとこちらも外れ。両軍はこのままドッグファイトに入ります。 

 両軍はR-73短距離赤外線誘導ミサイル(アメリカのサイドワインダーに近い)を撃ち合い、そのうちの一発がエリトリア空軍のMiG-29 1機に命中、撃墜されました。これはパイロットの技量もあるでしょうし、その時の状況も違うと思います。しかもR-27はどちらも外れているわけですし。ただ世界のイメージ的にはSu-27が有利だと見られたようで、その後Su-27の方が商業的には成功しているようです。

 アメリカの場合も、イランに輸出したF-14トムキャットと自軍のF-14F-15F-16、F/A-18E/Fが対決する可能性もあったわけですからそれを考えると面白いですね。いや、人が死んでいるかもしれないので軽々しいことは言えませんが…。