【米紙ニューヨーク・タイムズ】米、戦車供与を支援か ウクライナ東部の防衛強化
戦闘機でもNATO加盟の旧東側諸国のソ連製MiG-29やSu-25を供与するという話が出てきたり立ち消えになったりしました。アメリカも武器供与国も責任を負いたくないから押し付けあっているような印象ですが、実際は陰でウクライナに援助しているような気が個人的にはしています。というのもNATO側はロシアを怒らせないために戦闘機供与はしていませんよというポーズは示しておく必要があると思うんです。
実際、MiG-29などはウクライナ軍も使っているため、どれが元々の保有機か供与された物か区別がつきません。しかも情報はNATO側が支配しているためロシアに証拠をつかまれることは無いでしょう。加えてすでに西側装備に主力を切り替えているポーランドにとっては、ウクライナに供与した補填分でアメリカからF-16の中古を貰う約束が出ているため悪い話ではありません。もちろん最新式ではないはずなのでアメリカも今後F-16Vに準ずるアップデート代を要求できるので損はしないのでしょう。
そして今回出てきたのは戦車を供与するという話。実はこれもポーランドにとっては嬉しい話ではあります。ポーランド陸軍はすでにドイツ製のレオパルドⅡA4とA5をどちらも100両以上保有しています。旧ソ連製のT-72も382両あるそうですが、ウクライナ戦争でも相変わらずのびっくり箱状態(詳しくは過去記事参照)なので本音は要らない子です。ポーランド陸軍はT-72M1を発展させたPT-91を232両持っています。T-72M1も順次PT-91にアップグレードしているそうですが、欧米の新鋭戦車がもらえるならこちらの方が当然嬉しいでしょう。ただレオパルドⅡはすでにドイツも余剰分を売り払っており自国の国防力強化に転じたので無理だと思います。再生産しても自国優先でしょうから。アメリカもM-1A2エイブラムスはそこまで余っているかどうか?
と思ってググってみると、ポーランドはすでにアメリカからM-1A2エイブラムスを250両購入することを2021年7月に公表していましたね。だとしたら納得です。こうなるとますますT-72の肩身が狭くなります。湾岸戦争とイラク戦争で防御力に定評があるエイブラムスの方が良いに決まっています。M1A1の時でさえ、故障して動けなくなったM1A1はイラク軍T-72戦車3両のゼロ距離射撃に耐え反撃で撃破したくらいですからね。もっともこれはソ連がイラクに劣化ウランやタングステン弾芯のAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)ではなく普通の鋼鉄弾芯のAPFSDSを供与していたそうなので割り引いてみる必要はありますが…。
そう言えば、湾岸戦争の時イラク軍のソ連製T-72やT-62がびっくり箱だったのをみて「あれはモンキーモデルだから本国仕様は違う。遥かに防御力が高いはず」とのたまっていた自称軍事専門家がいましたが、私はソ連製戦車の構造上の欠陥からあまり変わらないのではないか?と思っていました。それが今回のウクライナ戦争で図らずも実証されたわけです。
ポーランドにしても他のNATO加盟旧東側諸国にしてもウクライナ戦争で相変わらずのびっくり箱を見せられたら認識が変わりますわな。今後ロシア製戦車の海外販売にも影響があるんじゃないでしょうか?湾岸戦争の後も、ロシア製戦車の海外販売は非常に苦戦したそうですからね。
資源と兵器くらいしか売るものの無いロシアにとって致命的とも言えます。ソ連製のパクリから始まったシナの戦車はどうなんでしょうか?さすがにびっくり箱状態は解消されていると思いますが、詳しい方はお教えください。
ともかくロシアははっきりと悪の侵略者。ここまで分かりやすいのは世界史上でも類がないのでは?日本もならず者国家の二大巨頭ロシアとシナの隣国なんですからドイツのように国防費対GDP比2%以上にはしないといけませんよ。最低でも10兆円です。武器輸出三原則は緩和されたそうですが、核ミサイル以外の兵器は防衛兵器と称してどんどん輸出して良いと思いますがね。まずはウクライナに無償援助して実戦データを取ること。人が大勢亡くなっているので嫌な話ではありますが、国防は綺麗事ではありません。日本を守るためには背に腹は代えられないと覚悟すべきです。
ただ潜水艦などの国防の核心技術は絶対海外に売っては駄目ですよ。ここは門外不出にしなければ。そういう国防上の常識が欠けているのが日本政府。戦後の平和ボケは深刻だと思います。皆さんは、NATOのウクライナへの戦車供与の話、どのような感想を持たれましたか?