上表のうち、同時追尾とは一度に把握できる目標数のことで、同時対処はそのうち最も危険度の高いものをコンピュータで選定し同時に迎撃ミサイルを発射できる能力の事です。実はこれがイージスシステムの肝でして、あくまで推定値に過ぎません。しかもすべてのイージスシステム搭載艦のベース(最初のタイコンデロガ級は別格。こちらはミサイル巡洋艦)となったアーレイバーク級フライトⅠのデータですので、バージョンアップした現在のフライトⅡAは確実に能力が向上しています。
すべてアーレイバーク級のイージスシステムが元ですので、カタログデータ上は似たような能力になります。艦隊防空ミサイルでこんごう型より新しいあたご型がなぜSM-3でなくSM-2を搭載しているか疑問に思われた方もいると思いますが、SM-3は弾道ミサイル迎撃能力を付与されたスタンダードミサイルで、こんごう型4隻はBMD(弾道ミサイル防衛)に対応できるよう改修されました。
あたご型は、最初から弾道ミサイル追尾能力を持つよう設計されますが、弾道弾迎撃ミサイル発射能力は付与されませんでした。23中期防で弾道弾迎撃ミサイル発射能力付与が決まったので順次改修すると思います。すでに改修が終わっている可能性もありますが、手元の資料には書いてないので未確認としておきます。
こんごう型、あたご型の対潜兵装に関してはVLA(垂直発射型アスロック)ではなく07式SUMを搭載している可能性もありますが、これも未確認です。ミサイル関係は高いので演習か実戦でVLAを撃ち尽くさなければ換装されないかもしれません。
アーレイバーク級と日本のこんごう型、あたご型との大きな違いは巡航ミサイルトマホークを搭載しているかどうかです。その点、韓国の世宗大王級は天竜という巡航ミサイルを搭載していますので、能力的にはアーレイバーク級に匹敵している事になります。
そればかりか世宗大王級はVLS(垂直発射システム)を128セルも積んでいます。アメリカのミサイル巡洋艦タイコンデロガ級ですら122セルですから、重武装ぶりには驚かされます。ただ、問題があって世宗大王級のVLSのうちスタンダードSM-2ミサイルを撃てるMk.41VLSは80セルに過ぎず、残りは国産のVLSです。そしてこちらに巡航ミサイル天竜を32発、対潜ミサイルの紅鮫SUMを16発搭載しています。
さらにいえば世宗大王級が搭載するイージスシステムは、建造費の高騰を恐れアメリカ海軍仕様の純正品ではなく一部を別のアメリカ製、韓国産の代替システムにしています。ですから、アーレイバーク級と本当に同じ能力なのかかなり疑問です。
一応戦術データ・リンクは、NATO標準のリンク16に対応しています。ただ、リンク16対応は世宗大王級と仁川級フリゲートのみで他はリンク11なので(2013年現在。今は知らない)、世宗大王級が把握した目標を他の駆逐艦やフリゲートにデータを送って迎撃させることはできません。一体何のためのイージスシステムかと疑問に思えます。
それに加え、トップヘビーの世宗大王級は波の荒い外洋(特に日本海)に出る事が困難だそうです。韓国が本来なら全く脅威にならない日本に対抗していかに無理に無理を重ねてイージスシステム搭載駆逐艦を建造したか分かりますね。そんな無駄金があったら現在も戦争中で休戦しているにすぎない北朝鮮に対処するため陸軍と空軍を強化すべきでしょうに。自慢のK2戦車はいつ完成するの?22年たってもまだできないよ。国産パワーパックを諦めてドイツ製にしたのは良いが、勝手にブラックボックス開けてドイツが檄おこというニュースをついこの間見たばかりだが…。軍が要求を下げて国産のパワーパックで量産するという話も聞いた記憶があるが、どうなってるんでしょうね?(苦笑)