いま改めて驚いたのは、この本でSOSUSに関して詳しく紹介している事です。SOSUSと聞いても何の事か全く分からない人が多いと思いますが、簡単に説明するとSound Surveillance Systemの略で米海軍と英海軍が世界中の海底に設置したソナー監視ラインです。
冷戦期には公然の秘密で、冷戦終結後の1991年になってやっと米政府が公式に存在を認めました。その分布図を見ると大西洋と太平洋、インド洋の赤道以北はほぼ全域、赤道以南ではインド洋の主要部、南大西洋の中央部、東南アジア海域(+豪州近海)と潜水艦が活動する海域はほぼ網羅しています。世界各国似たようなシステムは持っていますが全世界規模のものは米英だけ。この二国が世界の軍事上別格なのは当然ですね。
支那の公船が時々底引き網で海底をさらってるでしょ?あれってアメリカ(+日本)の海底ソナー網のケーブルを切るためなんです。しかしすでに無ケーブル化してるので意味はありません。ただ奇跡的にソナー自体をすくいあげられたら能力を見ることはできるでしょうね。そして米政府が公式に存在を認めたという事は、すでにそれ以上のシステムを完成しているからだと想像されます。アップデートも随時なされているでしょう。もちろん日本の海上自衛隊も公式には認めていませんが同様のシステムを日本近海から東シナ海にかけての海底に設置しています。詳しくは軍事機密なので書けませんが(実は私も詳しくは知りません。逆に詳しかったらスパイですwww)地震などの探知システムを連想すれば当たらずとも遠からずです。
支那の潜水艦が時々沖縄本島と宮古島の間の海峡を抜けているでしょ。あそこ日米ソナー監視網の濃密なところの一つなんです。わざわざ自分から音紋データを提供してるんだからアホとしか言いようがありません。支那潜水艦が出港から帰港まですべて監視されているという意味はなにも米攻撃型原潜が常時追跡してるだけではないんです。この海底ソナー監視システムがあるからでもあります。支那も同様のシステムを持っているはずですが、日米潜水艦の活動をほとんど把握できてないという事はそれなりのシステムでしかないという事なのでしょう。