どこまで続く、趣味の記事ぞ!(笑)冗談はともかく、上の表を見てください。これは第2次世界大戦中の列強の主要カノン砲です。イタリアだけ資料が見つからなくて割愛しています(汗)。
ちなみにカノン砲とは、他の大砲より砲身が長くより長距離に飛ばす目的をもった大砲です。ゆえに初速も早く弾道も低伸弾道を描きます。
日本を代表する重砲である八九式十五糎加農砲には、九五式十三屯牽引車がありました。
牽引能力13t、牽引時の最高速度14km/h。
砲の性能は上表にあるので、M5の性能を紹介すると同じ牽引能力13tながら最高速度48km/hを誇ります。ただ牽引しての速度ではないので牽引時のそれは不明です。
という事で両者の出力を比べてみましょう。95式が160馬力。M5は207馬力。能力的にはアメリカの方が高そうですね。
というより問題は火砲自体の構造でした。比較のために八九式十五糎加農砲を見せます。
どうみても高速移動できそうな車輪じゃないでしょ?それもそのはず。移動するときは砲身車と砲架車に分けて移動しなければいけなかったため移動から発射態勢に入るまでもの凄く時間がかかったそうです。
一方、アメリカのロングトムはゴムタイヤの車輪で移動も楽、緊急時にはタイヤ付きのまま発射もできたそうですから設計思想の先進性に驚かされます。というより日本が遅れていただけか…。
上の表を見て気付かれた方もいらっしゃるでしょうが、日本は八九式じゃなくて列強並みの性能を持つ九六式をもっと整備するほうが良かったんじゃないか?と。
残念、九六式は重すぎるんです。それに発射する時は半固定式砲床を建設しなければいけないためさらに時間がかかります。
性能的には不満でも日本は八九式を生かすしかありません。日本は確かに九八式6t牽引車という最優秀牽引車をもっていました。しかしこれはせいぜい7tが牽引力の限界。八九式十五加を牽引できないんです。
どうせガソリン不足で満足に動かせなかった可能性は高いですが、砲兵火力を生かすためには八九式を再設計して機動化し、九五式十三屯牽引車をもっと増産しておくべきでしたね。国力的に無理な事は百も承知ですが…。
そうすればノモンハンももっと違った結果になったのでは?