某ミリタリー系ホームページで紹介されていたので、試しに読んでみました。アマゾンで46円+送料だったし(爆)。
まあこんな本です。
『歴史の事実を誤解・曲解・ご都合で、つぎつぎ生み出されるパラレルワールドシミュレーション戦記。史実と架空のはざまで揺れ動く不条理の世界をディープに味わう完全マニュアル。〈ソフトカバー〉 』
あんまり期待しないで読んだんですが、なかなか楽しめました。よくある研究読本や研究序説のようなおちゃらけた内容を想像してたんですが、中身は意外と硬派だったように思います。
「あの時ああしていれば?」とか「もしあの行動をとっていたら?」とかの所謂たら・ればは先の大戦においても無数に言われていますが、よくよく冷静に分析すると現実はそういう甘い話でなかった事に気付かされます。
例をあげると、
それに対して本書では
などと反論しています。
①などは意外に盲点になっているところです。重油タンクの破壊で太平洋艦隊の行動を阻害させられたはず、という主張は成否はともかく素直に受け入れられています。(私も信じていたくらい)
しかしよくよく考えてみると、ガソリンタンクを保護するために二重にしたタンクの間に重油を入れて保護するくらいで燃えにくい(=揮発性が低い)ものです。燃えるのは燃えるでしょうが、ガソリンのように大爆発を起こすような代物じゃないのは確か。
まあ本書の主張で中には疑問符がつくのもありますが(苦笑)、おおむね常識的線で納得できるように感じました。
ただアマゾンの書評のように、あまりおかしい設定(ハワイを占領できたら?=補給が続かないetc)はともかく、架空戦記を読む人はそんなことは百も承知で楽しんでいるのだから、それに目くじらたてなくてもいいんじゃない?なんていう至極まっとうな突っ込みはありますけどね(笑)。覇者の戦塵とか面白いよ~♪
追伸:姉妹編の「兵器・戦略篇」は戦艦大和の副砲の防御力とか明らかな嘘が書かれているので読まなくていいそうです(爆)。