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ボーイングB‐17 フライングフォートレス(空の要塞) (米)

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  泣く子も黙るアメリカの重爆撃機。とくに日本より直接被害にあったドイツ人にとっては憎んでも余りある機体。日本人がB‐29を憎むのと同様です。
 
 もともと1934年マーチンB‐10の後継爆撃機競争試作で、米陸軍(空軍独立は戦後。当時は陸軍航空隊)も双発機を想定していたようですが、ボーイングが示した答えは画期的な四発機でした。
 
 当時多初機といえば双発が普通で、四発は鈍重で夜間爆撃くらいしか使えないといわれていた中、ボーイング
 
①空力的に洗練させ突起物の少ない機体
爆撃機として世界初の排気タービン搭載で高高度性能を増大
③当時としては大馬力の1200馬力×4基のエンジン搭載で高速化
④強力な武装
⑤優秀な防弾装備
 
というコンセプトを打ち出します。
 
 要求した性能をはるかに上回るボーイング社の試作機に喜んだ米陸軍は、これをB‐17として正式採用しました。
 
 第2次大戦がはじまると、欧州戦線においてドイツの工業地帯を爆撃する戦略爆撃の主役として多くの施設を破壊しました。一方太平洋戦線では航続距離の不足(それでも後期型は5800kmありますが…)で大戦中期までしか使用されず、より航続力の長いB‐24リベレーターにとって代わられます。
 
 日本軍パイロットも、B‐17やB‐24が攻撃してもなかなか火を吹かず苦戦したと証言しています。ドイツ空軍はB‐17に対抗するため30㎜機関砲を戦闘機に搭載したくらいです。ドイツ空軍の激しい迎撃で被害も増大しましたが、航続力の長いP‐51マスタングが護衛につくようになると損害は激減しました。
 
 そしてドイツは、ついに執拗なアメリカの戦略爆撃に耐えられず屈します。
 
 日本軍もB‐17を無傷で捕獲したことがありましたが、優秀な排気タービン機構は技術力が高すぎてついにものにできませんでした。ドイツでもあまりの優秀さに捕獲したB‐17をそのまま使用したそうです。
 
 アメリカの工業力の恐ろしさは、こんな巨人機でさえ12000機以上も生産していることです。そればかりか主要な戦闘機・爆撃機の生産数は1万機を超えています。これでは日独の防空戦闘機がどんなに撃墜しても追い付くわけがありません。憎たらしいことこの上ありませんが、冷静に見て物量ばかりでなく質でも優秀であったと断じざるを得ません。
 
 
 
【性能諸元】B-17G