鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

マウス と E-100   ドイツ超重戦車の系譜

イメージ 1
 
イメージ 2
 
 電撃戦戦術を編み出し、装甲部隊と急降下爆撃機によって敵部隊ではなく敵の指揮系統を破壊するという画期的ドクトリン(戦術教義)を打ち出したドイツ陸軍。
 
 電撃戦の主役とも言うべきⅢ号、Ⅳ号。敵がこれに対抗できる新戦車を投入してくるとドイツ軍はさらに強力なⅤ号戦車パンター、Ⅵ号戦車ティーガーを開発します。
 
 
 ヒトラーは、さらに強力な主砲、さらに厚い装甲を持った戦車を求めて開発陣に新たな重戦車を要求します。それに対しフェルディナント・ポルシェ博士は、128mm55口径砲という空前の巨砲を搭載し前面装甲240mm、188tもの巨体を持った戦車を提示しました。(最初の画像)
 
 
 しかし常識で考えると、このような巨体ではどんなに強力な戦車砲を搭載していても実戦で役に立たないことは容易に想像でします。実際マウスは使い物にならず試作2両(あとは製造途中が4両ほど)造られただけでした。
 
 戦車に限らず、なにごともバランスが大切だという好例です。まあ、車体を埋めて臨時トーチカとして使用すれば中東戦争の戦訓通りある程度は有効だったと思います。
 
 
 一方E‐100(2枚目の画像)は、マウスよりは実用性が高かったそうです。といいますのも戦車の各種構成品を共通化して生産性を高め、また重量ごとに戦車の標準化を行おうという E(Entwicklungstypen=開発タイプ)計画の一環として計画された戦車(他に軽戦車E‐25、パンター後継の中戦車E‐50、ティーガー後継のE-75などがある)だったからです。【ウィキぺディアより】
 
 両戦車の砲塔が似てると思いませんか?計画ではマウスのものを流用するはずだったそうです。主砲は150mm38口径砲(173mm砲説もあり)。装甲はマウスと同じ240mmながら傾斜角60度でより防御力が高かったそうです。でありながら総重量で140tに抑えられ、足回りも1200馬力の強力なエンジンで時速40㎞だったそうですから、こちらのほうが実用的でした。
 
 
 ただ、E-100が実戦に投入されたとしてもあまり活躍できなかった可能性が高いです。といいますのもティーガーⅡでさえ69.8tの巨体を持て余していたくらいですからその倍以上ある車体では移動もままならなかった可能性があります。
 
 
 しかし、ヒトラーはさらに強力なシャルンホルスト級戦艦と同じ主砲(28㎝三連装砲)を搭載した超巨大戦車ラーテまで計画してたそうですから、末恐ろしいですね(苦笑)。