戦闘機とか戦車などについては、好きな人も多いと思います。しかし大砲となると分かる人も少ないとのではないでしょうか?ドイツの88mm砲や幕末の日本でも使用されたアームストロング砲などは知ってる人が多いかもしれませんが、これを知ってる人はかなりの戦史好きでしょう。
第2次世界大戦中の米軍砲兵連隊の標準野砲で、ベトナム戦争まで使用されました。また日本の陸上自衛隊が誕生すると米軍供与品として採用されます。
このM2A1榴弾砲は、特別に優秀だったというわけではありません。野砲としての性能は標準。しかしこの砲ならではの特長がありました。
まず、徹底的な軽量化が図られそれまでの砲の7割まで重量が軽減されました。通常このクラスの野砲は専門の牽引車両(ドイツの8トンハーフトラックが有名)がなければ移動できませんが、M2A1は緊急時にはジープでも移動できる(ただし短距離)という機動性をもっていました。
しかも分解すると航空輸送までできるという優れものでした。これは戦史に詳しい方ならご存知だと思いますが、空挺部隊で火砲を運用する場合、専門の空挺砲でなければ運用できません。しかしこの砲はパラシュート降下こそできませんが(部品ごとにやったらできるかな?無理か・爆)、恐るべき機動性と言わざるを得ません。
もちろんこの当時の野砲として標準化しつつあった、砲弾を換えることでカノン砲と榴弾砲の両方の使い方ができたことも利点です。
標準型はM2ですが、砲身を短くしたM3も造られます。さらにM3中戦車(ややこしい・笑)の車体にこの砲を載せM7プリースト自走榴弾砲としても活躍しました。