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『わかりやすいベトナム戦争』(三野正洋著 光人社文庫)

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 これも最近読んで感銘を受けた本です。中東戦争に関しては当事者のイスラエル軍人や欧米の軍事史家の著した事実を淡々と書いた良書が多いんですが、このベトナム戦争に関してだけは思想的フィルター、はっきり言えば反米左翼史観に則ったアメリカは侵略者、南ベトナム政府は腐敗してるから滅亡して当然、北ベトナムは人民のための良い軍隊、べトコンは民族解放を目指す正義のゲリラなどという、現代の視点から見れば噴飯ものの主張がまかり通り、読んでて不快になる本が大部分でした。


 もちろんアメリカが全て正しいなどというのもおかしい話ですが、それと同様共産勢力が全て正しいなどという主張はまともな判断力を持つ大人なら恥ずかしくてできない主張でしょう。


 その点、この本は事実を冷静にそして公平に記していて好感が持てます。著者の三野正洋さんは技術者出身だけあって思想的フィルターの掛からない真実だけを冷静に書いています。「日本軍の小失敗の研究」「ドイツ軍の小失敗の研究」「どの民族が戦争に強いのか?」などユニークな視点にたった本を書いており、私の好きな作家の一人ですのでこの本も安心して買えました。


 ベトナム戦争の真実はどうだったのか?興味のある方は一度手に取られるのも良いでしょう。


(これそのままアマゾンのレビューに載せられそうだな?爆)