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ニューディール政策で戦争始められたらたまったもんじゃないよ!

ニューディール政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』


ニューディール政策(−せいさく、New Deal)は、アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルト世界恐慌を克服するために行った一連の経済政策。新規まき直し政策とも。それまでアメリカの歴代政権が取っていた古典的な自由主義的経済政策(政府は市場には介入せず、経済政策も最低限なものにとどめる)から、政府がある程度経済へ関与する社会民主主義的な政策へと転換したものであり、第二次世界大戦後の資本主義国の経済政策に大きな影響を与えた。世界で始めてケインズの理論を取り入れたと言われる。

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 オバマ大統領誕生で世間は賑わってますが、そのなかで「現代のアメリカは大恐慌時代のアメリカと似ている。当時のルーズベルト大統領がニューディール政策で立ち直ったように、オバマの政策もルーズベルトの政策と似ている政策を打ち出している。きっとアメリカを現在の不況から立ち直らせてくれるはずだ。」などとほざく馬鹿なマスコミや評論家が多いのには閉口します。

 大規模な公共事業などで一時的には回復したかのように見えましたが、あまりにも急進的な社会民主主義的政策にいくつかの法案が最高裁違憲判決を受け、1930年代の後半から景気は陰りを見せ始め、もし第2次大戦が勃発して軍事特需がなければアメリカ経済は破綻していたという論者もいるくらいです。

 むしろヒトラーナチス政権による全体主義的経済政策の方が成功し、もし戦争を起こさなければヒトラーノーベル平和賞を取ったとまで言われたのは皮肉です。

 同じ『公共事業を中心に財政支出で経済成長をけん引させるというケインズ有効需要を基礎とした理論』をもとにしながらなぜこうも違う結果になったのでしょうか?


 それはドイツ第3帝国総統とアメリカ大統領の権力の違いということも大きな理由の一つでしょう。まがりなりにもアメリカは民主主義国家です。いくら全体のためとはいえ一時的であれ個人が犠牲になる政策には反対も強いと思います。一方ドイツは全体主義国家であるために思い切った政策が打ち出せる。これは大きいです。


 私は実は経済学部出身なのですが、白状すると経済史(経済を中心にした世界史、中心は中世から近世にかけての欧州史)ばかり熱心に勉強し、経済理論は嫌々やっていたので大した知識はありません(爆)。

 有効需要=消費+投資 で言い換えればこれは国民総需要にあたる。

 【「供給はそれ自身の需要を創造する」と要約される経済学の法則である『セイの法則』は総供給と総需要のすべての雇用量における一致を主張したものとして理解されている。かりに雇用量を変化させたとすると、それに対応して総供給と総需要が変化することになるが、所得のうち消費されなかった残りにあたる貯蓄の一部が投資されない可能性を指摘してセイの法則を退けた。雇用量を決定する企業者は、見こまれた総需要が総供給を上回っていれば雇用量と利潤を増大させ、反対に総供給が総需要を上回っていれば雇用量を減少させることになるが、このようにして決定された均衡雇用量に対応した総需要をケインズ有効需要と呼んだ。】(ウィキペディアより)


 なんのことかよく分かりませんよね(爆)。こんなことなら学生時代によく勉強しておくんだった…。



 しかし経済に関しては門外漢だったヒトラーは、経済の天才シャハト博士を抜擢して彼の政策を強権的に実行していくことで巨額な設備投資を政府のもとで行い、すでに天文学的インフレで破たんしていたドイツを見事立ち直らせたのです。1936年には完全雇用を達成しています。

 シャハト博士が述懐しているとおり、経済学には無知なはずのヒトラーは、霊的ともいえる直観によって経済の本質を見抜きシャハトにそれを政策化させたといいます。そういえばヒトラーは外交でも神がかりともいうべき判断力を示しています。
 たとえばラインラント進駐では、英仏と戦争になるという軍部の反対を押し切って実行させ、結果的にヒトラーの判断通り戦争は起きませんでした。


 あんまりヒトラーの事ばかり褒めているとネオナチかと勘違いされてしまうかもしれませんが、これは歴史的事実です。


 有効需要の話に戻ると、巨額の公共投資・減税などの財政政策と金利を操作することで民間投資を誘導し、有効需要を調整する金融政策の両輪で雇用を創出させ結果的に景気を良くさせるという政策が必要である、と私は理解しています。そしてそれは生半可なことでは効果は出ない。一時的に国民の利益を制限するところまで徹底的に断行しなければならない。


 アメリカは全体主義国家でなく、あくまで民主主義国家ですのでオバマの新たなニューディール政策が成功するかどうか難しいところです。しかも当時のアメリカのように自国の経済を守るためにブロック経済をされたら日本はたまったもんではありません。


 アメリカの悪い癖は、自国の経済が悪くなるとどこかに戦争を吹っかけて軍事特需で危機を脱しようとするところです。かっては日本がスケープゴートになったではありませんか!


 そんなことにならないように各国は厳しく見守る必要があります。オバマ人気に水を差して否定的な記事を書いたことで世間から総スカンをくらいそうですが、あまりにも浮かれた世間の風潮に警告を発する意味であえて書きました。


 かといって私はオバマ氏を完全否定しているわけではありません。アメリカ初の黒人大統領である彼は歴史に残る何かをやってくれるかもしれません。期待を込めての厳しい注文なのです。