名作は何回見てもいいですね♪年末時代劇といえば脚本の杉山義法さん。残念ながら2004年にお亡くなりになっていますが、本当に惜しい脚本家でした。なんといっても歴史に愛とリスペクトがある。佐幕派であれ勤王派であれそれぞれの生きざまをまっすぐ描く脚本は見事としか言いようがない。
五稜郭でも北海道開拓の夢に賭けた榎本武揚(里見浩太朗)、新政府の命で蝦夷共和国討伐に向かうが若者の無益な死を目の当たりにして嘆く蝦夷征討軍参謀山田顕義(石橋正次)、降伏勧告をするも海律全書を託され榎本の人物に感じ入り助命嘆願に尽力する征討軍参謀黒田了介(清隆、西郷輝彦)、大所高所から賊軍の人材を生かせと木戸孝允(あおい輝彦)に直訴する佐藤泰然(佐倉順天堂、順天堂大学の開祖、森繁久彌)など新政府側、旧幕府側双方を公平に、そして愛をもって描く杉山脚本は素晴らしすぎます。
不覚にも箱館戦争で散っていた旧幕府軍の武士たちの死に涙しました。ブリュネ(岡田真澄)はじめフランス軍事顧問団の軍人も熱かった!特に土方歳三(渡哲也)。カッコよすぎる!!!新政府軍の陣営に馬上近づき誰何され「新選組副長、土方歳三。参る!」と叫んで斬りこむ当たり鳥肌が立ちました。本来土方はこれくらいカッコ良いんです。NHK糞大河の比ではない!
20数年ぶりくらいに本当に良いものを見させていただきました。最高の年末になりましたよ!
追伸:
「何者か?」と問われ「ただの糞じじいじゃ」と答える佐藤泰然。「さぞかし名のある方と推察するが、お言葉深く感じ入りました」と答える木戸孝允。二人とも器が大きすぎる。木戸の登場時間は短かったですが、年末時代劇史上最高の木戸孝允でしたよ。
箱館の共和国病院を襲った新政府軍。抗議する軍医高松凌雲(風間杜夫)の心情に打たれ『薩摩藩改め』の書を書き「これを掲げておれば、新政府軍から襲われることはなかじゃろ」と言った薩摩藩の無名士官(村田雄浩)。
語りだせば2時間は平気で話せるくらい登場人物が良い!思い出しただけで涙が出ます。まだ見たことのない方は是非一度見てほしいと思います。