【アメリカ】米軍、対地攻撃機A10の引退見直し ISIS掃討に不可欠
近接航空支援専用機で、頑丈な機体と30㎜ガトリング砲や各種空対地ミサイル、誘導爆弾など高い搭載力を持ちアメリカと戦争する勢力にとっては天敵とも言える凶悪な攻撃機です。そのため、何度となく退役が撤回され戦場で使い続けられました。そして今回はISとの戦いでまたしても引退撤回。息の長さには感心します。
ところがA-10を運用している米空軍は早く退役させたいというのが本音みたいです。米陸軍の方が延長を求めています。空軍の言い分としてはF-16などマルチロール機の性能が上がり誘導爆弾やミサイルによる対地精密攻撃が可能となったから潰しのきかないA-10は要らないとの事。
米空軍のパイロットも、泥臭い近接航空支援任務を嫌っているとか。パイロットが一番好きなのは空中戦ですがこれは支那との全面戦争にならない限り実現しません。現在の主任務は敵の指揮中枢やレーダー網、通信網の破壊。これは敵対空ミサイルの届かない5000m以上の高空から攻撃できるので安全です。ところが近接航空支援任務は個人携帯対空ミサイルでも届く低空まで降りないといけないため危険が増します。誰でも安全な方が良いですからね。
空軍は、近接航空支援は無人機か性能の上がったアパッチ・ロングボウなどの攻撃ヘリでやってくれという意見。一方、陸軍も自分のヘリ部隊を消耗したくない(けっこう消耗が洒落にならない)ため空軍に頼みたいのが本音。一時はA-10を陸軍に移管するという話もありましたが、そうなると陸軍の予算内で運用しないといけないため話が立ち消えになりました。まあ、常識的に言って固定翼機の運用を陸軍がするのは無理がありますけどね。
結局は空軍と陸軍の押し付け合いみたいですよ。こういう事情ですからA-10は当分現役で活躍しそうです(苦笑)。
追伸: