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アメリカ空軍第366混成航空団

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 アメリカ海軍・海兵隊には海兵遠征軍/海兵遠征旅団/海兵遠征隊、陸軍にはストライカー旅団戦闘団など緊急展開部隊があります。ところが空軍は部隊の特性上緊急展開部隊を作りにくいそうです。冷静に考えると整備や基地要員、飛行場メンテナンス要員などコストがいくらあっても足りない事は容易に想像できます。

 その中で、私の知る限り戦後唯一設けられた空軍緊急展開部隊が第366混成航空団です。一応『アメリカ軍対テロ戦争部隊の戦い』(河津幸英著)から得た知識なので、他にあったらご一報ください。もちろん訓練部隊ならいくつもありますよ。海外に展開する目的で創設されたものはあまりないでしょう。

 上表をご覧になると分かる通り、一通りの作戦をこなせる陣容だと分かります。B-1はもともと核攻撃を主任務とす超音速戦略爆撃機ですが、B-52などと同様巡航ミサイルを運用する戦術爆撃機として使用されています。米空軍の戦略爆撃任務はステルス戦略爆撃機のB-2が担当するようになりました。レーザー誘導爆弾、各種空対地ミサイル、巡航ミサイルなどの精度が飛躍的に上がってそれほど数を必要としなくなったからです。ちなみにB-2はたった21機しか生産されていません。1機生産するのに巡洋艦並みの費用がかかり運用コストも莫大ですから仕方ないのでしょう。

 第366混成航空団は作戦機66機、航空要員1231名、その他支援要員がいるそうです。これだけでちょっとした中小国の空軍なら壊滅できるレベルですね。私が一番驚いたのは、戦闘飛行隊(Squadron)の定数が18機になっていたこと。アメリカ空軍だけは24機定数を維持していたと思っていただけに軽いショックでした。他のSquadronも同様なのか、遠征用だから少なくなったのかは不明ですがやはりコストが高いんでしょうかね?

 上の表は湾岸戦争後からイラク戦争当時までの編制ですが、現在はさすがにこの陣容は維持できないらしく例えばB-2装備の第34爆撃飛行隊は第28爆撃航空団に移動しているそうです。B-1爆撃機を平時は一括管理したいという米空軍の方針なのでしょう。メンテナンス上もその方が楽ですからね。

 日本で今回沖縄で新設された第9航空団もこれくらい戦力があったら安心なんですけどね(苦笑)。せめてF-15JとF-2だけで54機くらいは欲しい。