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アラル海が無くなる?

【国際】「アラル海」 ほぼ消滅・・・かつては世界4番目の広さを誇った湖


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 アラル海中央アジアカスピ海の東方に広がっており、かつてはとても大きな湖でした。それがソ連時代間違った大規模灌漑やダム建設で干上がり今ではほとんど無くなっているとのこと。1960年までは大きかったのですが、人間のエゴのために自然が破壊されてしまったわけです。

 ナイル河もそうですよね。かつては大穀倉地帯として有名だったナイル河口デルタ地帯はアスワンハイダムなどの建設によって沃野が失われ今では塩害が酷いとのこと。どちらも生産力拡大を目指して開発されたのに逆に自然を破壊するのですから皮肉な話です。

 世界史ファンとしては、文明の揺りかごアラル海が無くなってしまうのはとても残念です。アムダリア、シルダリアという二つの大河が注ぎ込み形成されたアラル海は両河の河間地方が世界有数の穀倉地帯として有名でした。ギリシャヘロドトスも書き記しているくらいです。世界史上、河間地方はトランスオクシアナ地方と呼ばれます。これはオクサス河(ギリシャ人によるアムダリアの呼称)の向こうの土地という意味です。

 湖の北方に広がるカザフステップは、印欧語族発祥の地の有力候補の一つです。インドアーリア、イラン(アーリア)、西洋各地の印欧語族、オリエントのヒッタイト民族、ミタンニ王国を建設したフルリ人、そして甘粛辺縁部まで広がる印欧語族の移動を考えると、私はかなり有力な説ではないかと考えています。

 それに加え、中世に大帝国を築いたホラズム朝(フワーリズム・シャー朝)発祥の地としても有名です。ホラズムは、アラル海南岸アムダリア河口のデルタ地帯が本拠地でした。現在のウズベキスタン共和国ホラズム州です。ホラズム朝の首都ウルゲンチも同地にあります。

 アラル海周辺は東西民族の交差点、シルクロードの重要拠点として世界史上大きな役割を果たしました。その歴史ある湖が消えてしまうのは本当に残念でなりません。