鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

PIAT(ピアット)

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 最近誰も興味を持たない火砲など紹介してますがこれは極めつけでしょうね(苦笑)。
 
 PIATとは第2次大戦中イギリス軍で使用された対戦車兵器です。
 
 PIATは「Projector, Infantry, Anti Tank」の略で、直訳すれば歩兵用対戦車投射器となりますか。
 
 
 口径76㎜、有効射程100mでだいたい90㎜の装甲貫徹力をもっていました。初速137m/sなんでパンツァーファウストよりははるかに速いですね。しかし放物線弾道を描くのは相変わらずで当たりにくさではパンツァーファウストに勝るとも劣らず(爆)。
 
 ところでこのPIAT、戦争映画でも戦記でも良い評判を聞かないんですよね。これを褒めているイギリス兵に出会った記憶がありません(爆)。
 
 
 それもそのはず。二枚目の内部図解を見て頂くとわかりますが、発射方式がバネ式!バネが撃針のついた底板を押し上げ、弾体底部のごく少量の発射薬を発火させ、弾体を飛翔させる(ウィキペディアより)方式です。
 
 その反発力何と90kg。大の大人が立ち上がって「えいや!」と全体重をかけて左回りに引き下げてコッキング、砲弾をセットしていたそうですから苦労がしのばれます。
 
 これを読むとなんとなく想像できると思いますが(笑)、コッキングに失敗して顔面を強打した兵士が何人もいたことでしょう。しかも市街戦などで眼下の敵を狙おうとすると、引き金を引く前に弾が勝手に重さでずり落ちるという困ったちゃんでした。「身長168cm以下の兵士は取扱いに注意するように」という命令まで出される始末。
 
 ただね、良いところもあるんですよ。無反動砲と違ってバックブラスト(後方噴射)がないので狭い部屋の中からでも発射でき、後ろにボケた兵士が立っていても大やけどする心配も死ぬ心配もないんです!(キリッ)
 
 
 のちに米軍からバズーカが貰えるようになるとさっさと使われなくなった事でもイギリス兵の評価がしのばれますね(苦笑)。