鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

カタログスペックと実戦の違い  隼 VS マスタング

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 第2次世界大戦で最高の戦闘機(性能と戦果を含め総合的に)といえば、アメリカのP‐51マスタング戦闘機で異論はないと思います。
 
 個々の性能では、マスタングを凌駕する機体もありました。しかしD型で最大速度:703 km/hを誇り武装も12.7㎜ブローニングM2機関銃×6丁。2665kmという長大な航続力を持つ同機は総合力で断トツのナンバーワンでした。
 
 こんな高性能のマスタングと、日本の大戦初期に活躍しその後旧式化した零戦や隼では勝負にならないのは確かでした。ほとんどの場合性能差を埋められず完敗するのが常でしたが、実は零戦や隼でマスタングを撃墜した記録もあります。
 
 これはドイツでも同様で、マスタングに劣る性能のメッサーシュミットBf‐109G型で撃墜したケースがあるのです。
 
 どういうことか考えていたところYahoo!知恵袋でなるほどと納得できる答えがありました。
 
 質問は零戦マスタングの性能の違いについてだったのですが、良回答として加藤隼戦闘隊で活躍した有名な撃墜王、黒江保彦少佐の言葉が紹介してありました。
 
 「P51マスタングのカタログスペック上の最高速度も、5分と続かない」のだそうです。だから実際の空戦ではパイロットの技量が勝敗を決めることも可能だということです。
 
 これは重みがありますね。通常同じくらいの技量のパイロット同士だと機体性能差で優劣が決まりますが、エースパイロットだとそれを逆転することが可能だったのでしょう。
 
 ちなみに陸軍の一式戦闘機隼の性能は、最高速度548km/h。武装も12,7㎜機関銃×2丁(いずれもⅢ型)です。航続力でドロップタンク付きで3000kmある以外はすべての面でマスタングに劣ります。
 
 
 これでマスタングを撃墜するんですから凄いですね!メッサーでマスタングを撃墜したケースも同様でしょう。
 
 
 日独が空戦で不利になっていくのは、機体性能差もあったでしょうがこういったベテランパイロットが消耗し訓練度や実戦経験の劣る新兵ばかりになっていったのも大きな要因だったと思います。いわゆる「貧すれば鈍す」というやつです。
 
 戦局が有利になっていった連合軍のほうは、逆に余裕ができベテランパイロットを休養を兼ねて定期的に後方に下げ新兵教育をさせていたそうですから差は開く一方でした。
 
 不利な方の日独側はそんな余裕はなかったですから。ランチェスターの法則通りですね。有利な方はとことん有利に、不利な方はとことん不利になっていくそうです。(損害は戦力の二乗に比例する)
 
 
 
 …ここまで書いてきて、ランチェスターの法則は人生にも当てはまるような気がします。金持ちはどんどん金持ちになるのに貧乏な庶民はどんなに頑張っても庶民のまま。これを逆転するには一時的にでも有利になれる革命しかない…。そして革命後はまたあらたな有利者と不利者の闘いが続く。
 
 
 う~ん、夢のない結論でごめんなさい(苦笑)。我々もエースパイロットになって一回でもいいからマスタング(=金持ち)に勝ちたいですね!(爆)