北朝鮮の核武装、拉致問題、ようやく平和ボケの日本でも国防問題が真面目に論じられる環境になってきたと思います。
この本の作者である兵頭二十八(にそはち)氏は、私が昔から注目していた論客だったんですが、実は著書を読むのはこれが初めてでした。予想ではバリバリの勇ましい論旨かなと思っていたら、核の歴史、核兵器の仕組み、核を持った場合と核を持たない場合の違い、核を防ぐのには核保有しかないこと、など冷静に論じられていて好感が持てました。
つきつめれば、核論議は日本の危機管理の問題だと思います。為政者が核を持たないと選択するのなら、それ相応の対応策を示すべきだし、それさえなしに平和的に話し合いで解決などとほざいている輩は「人として稀な愚鈍さ」であると断じたところは、思わず膝を叩くとともに笑ってしまいました。
日本が核武装することに賛成する論者も反対論者も、一度は目を通すべき本だと思います。